脇役? グループディスカッションの書記について

ミーティングの書記
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グループディスカッションでは目に見える結果が出せる書記

グループディスカッションでの書記の役割

グループディスカッションでの書記の役割としては、グループ内での議論のメモ取り役(議事録係)、意見の紙面上(ノート上)での要約があげられます。議事録や要約はグループ内での意見の記録として利用されるため、発表や意見をまとめる際の最重要アイテムです。限られた時間内で、意見交換から発表までを行うため、その情報処理能力は相当高いものを求められます。そういった点で書記という役割はグループディスカッションにおいても非常に重要であり、選考上不利になることはないでしょう。

評価基準としてはグループディスカッション内でのメンバーの発言を適切に要約し、メモをとっているか。さらにそのメモを活用してグループメンバーに意見を再度発信できるかという点でしょう。書記という役割は議事録を取るだけでなく、その議事録を用いてディスカッション内でどのような意見がどのような方向性で話し合われているのかをメンバーに再度まとめて伝えることも重要となります。なぜなら意見はディスカッション内でとめどなく出るものですので、議論が本筋から逸れることや発言内容が忘れ去られてしまう可能性があるためです。

議事録の書き方としては、グループディスカッションの議題によって異なります。議題がYES or Noといった形式でなく、決まった答えを導かなくてよい場合は、メンバーの発言をそれぞれ、時系列上にメモをとっていくとよいでしょう。もし、議題として企業の買収について問われ、4つの買収候補先が設問として与えられている場合は縦軸と横軸を書きそれぞれの強み、弱みなどを図式化してメモをとっていくと議論を定量化しやすく、発表の際にも比較をもとにした根拠づけによって、自分たちの意見発表ができるでしょう。議事録といっても通常のメモではなく、要点をしっかり抜きとることが重要であり、一字一句メモを取る必要はありません。書記の腕の見せ所としては、意見を集約して、後からみてもグループディスカッションのメンバーが議論の流れや、内容を把握できることが重要です。その点が徹底できれば形式にこだわる必要もありませんし、書記だからといってマイナス評価を受けることもないでしょう。

書記の字が汚いと発表でマイナスになるのか

書記の字が汚いかどうかということは確かに懸念事項であると言えます。字が汚くてマイナス評価を受けるというよりも、書記という役割を受けた以上、他人に書いた字が読み取ってもらえなければ書記という役割が存在する意味がありません。そのような意味で過度に小さすぎる文字も字が汚すぎて判読不可能であることと同じであると言えます。繰り返すようですが、読めなければ書記、そもそも字としての機能をはたしていません。そういった意味ではグループ発表の手助けにもなっていませんし、発表を聞く側を理解できませんからマイナス評価になると言い切ってもよいでしょう。

しかし、他人が読める字で適度な大きさを発表用紙上で確保できているならば問題ありません。書記の役割は書道のように素晴らしい字を書くことが前提ではなく、意見を可視化して発表の手助けをすることです。この点はしっかり頭に入れておいてください。前述のような判読不可能な字を書かない限り、字のきれいさによってマイナス評価を受ける可能性は少ないと言えます。

書記は脇役というイメージを払拭しよう

書記が発表するやり方はありなのか

グループディスカッションで書記はリーダーなどに比べて脇役と思われているかもしれません。しかし、実際にはグループディスカッションでの意見を集約し、可視化する非常に重要な役割です。縁の下の力持ちという言い方もできるとは思いますが、それ以上にあなたの成果物を人に見てもらうことができるので、脇役中の脇役というわけではありません。さらに成果物をあなた以上に理解しているひとはいません。よって発表をリーダー役の人に任せたようなスタイルであっても、質疑応答タイムでは成果物に乗っ取って、書記が質問に回答することも可能です。発表に関しては原則的に各グループのやり方やルール設定によりますが、グループ内で役割が明確化されている場合は補足という形で発表をサポートすることも一つの手でしょう。

書記がメモだけに徹する必要はない

先述の通りですが、書記だからといって発表してはいけないわけではありません。ましてグループディスカッションで書記を担当しているからと自分の意見を発信しないのではグループディスカッションで活躍はできません。発表もし、議事録もとり、なおかつ議事録も発表に備えてしっかりと仕上げていくというオールラウンドな活躍が求められるのが書記です。メモだけに徹して、グループディスカッションで黒子になることはおすすめしません。あくまで書記という役割は議論を円滑に進めるためのものであり、グループディスカッションで話す必要はないとしているわけではありません。その点は常に注意してください。

書記とタイムキーパーならどっちをとるべきか

どちらがいいというわけではない

書記は脇役のイメージを抱かれやすいですが、先述の通り十分グループディスカッションで活躍することのできる役割です。では、書記と並んで脇役のイメージを抱かれているタイムキーパーと書記だとどちらをやるのが良いのでしょうか。結論から言うと、どちらがいいということは一概には言えません。タイムキーパーも、ただ時間を気にしていれば言い訳でなはく、議論の段階ごとの時間配分をして議論が盛り上がっていても適切なタイミングで次の議論に移ることを促すなど、司会のような役割も求められます。グループディスカッションではどの役割も結局のファシリテーションスキル(進行力)が求められるのです

役割の理解と慣れのために短期インターンを有効活用しよう

一般的に、書記は脇役と認識されているために、その付加価値に気づいている学生は少ないといえます。そのためここは差別化をはかる大きなポイントでしょう。プレゼンテーションスキルは身に着けておいて得しかありません。そのため、普段から書記やグループディスカッションでの立ち回り方になれるためには短期インターンを経験し、実際の就活に備えて自分を磨きましょう。インターンというより厳しい環境だからこそ、グループディスカッションで活かされるような実践スキルは多く身に付きます。