学生が無給のインターンシップでただ働きしてはいけない4つの理由

無給
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無給・無償なのはほとんど短期インターンシップ

「インターンで無給って大丈夫なの?」と思ったあなた、インターンの給料が出るかどうかはインターンの種類によって大きく変わるって知ってましたか。

サマーインターンやウィンターインターンなどの短期は無給が多い

短期インターンとは1日、もしくは1週間くらいの期間で実施されるインターンです。

1日のみの1dayインターンは、学生に対してまず報酬は支払われないでしょう。1日なので仕事という仕事をすることはほぼなく、企業や事業の説明会のようなものなので当然ですけどね。配られても企業のロゴの入ったノベルティのようなものでしょう。

数日から一週間程度のものはプロジェクト形式のインターンが多く、学生同士で企業の事業内容に沿ったワークショップなどを行います。
プロジェクト系インターンの場合も給料は支給されないものがほとんどです。ただし交通費などは支給されることがあったり、企業によっては報酬の出る有給インターンもあります。

長期のインターンシップは有給でバイトのようなもの

長期インターンとは数ヶ月から一年を通じて行うインターンで、週3日以上、1日5時間以上といった勤務条件のもと、社員と同じ実務を担当するインターンです。

長期インターンは基本的には給料の出るものが多く、時給や日給で換算されて支給されるケースがほとんどです。
給料の金額は時給1,000円程度といったアルバイトと違いはないくらいの金額が支給されることが大半で、なかには昇給があることもあります。
給料のほかにも交通費や諸雑費などの手当てもきちんと支給されるケースがほとんどです。

無料の長期インターン・無給バイトの法律問題を解説

給料無料の長期インターンは、法律的にほぼNG!

無給の長期インターンが法律的に違法なのかどうかは、長期インターン先企業が学生に対してどのような内容のインターンを提供、開催しているかが重要です。長期インターンをしている大学生が、“労働者”とみなされるようであれば給料を支払われなくてはならず、無給の長期インターンはタダ働きとなってしまいます

ここで労働とは、使用者(インターン生の場合、企業)の指揮下の元に行う活動全般を指します。カンタンに説明すると、

  1. 企業の本来の活動に携わる
  2. 企業によって拘束されている

という2つのどちらかを満たしているなら、労働者と見なされるでしょう。

例えばあなたが社員さんのサポートとして資料集めやデータ入力をしたとしても、社員さんの業務に貢献しているため、これは労働になります。また制服の着用が義務付けられている場合には、その制服に社内で着替える時間なども“本来”労働時間に換算されるのです。

法律的観点でいえば、この労働時間において最低賃金を下回ったとしても法律違反を犯しているということになります
最近は成果報酬として、労働時間に対して最低賃金を下回る給料で働かせる企業などもありますが、これは法律違反なのです。

とはいえ、現在実施されている長期インターンのほとんどが「労働」を見なされる業務であり、労働を行っている場合は労働基準法に則り、相応の賃金が支払われる必要があります。

短期のインターンシップが無償でも良いたった1つの理由

短期インターンが無給である理由は、短期インターンで実施される活動が労働ではないからであると考えるとわかりやすいと思います

無給でインターンが行われ、なおかつ合法になる場合はどのようなケースなのか考えてみましょう。
例えば、

  • 通常業務を行っている会社の社員から完全に隔離された部屋
  • 社員とはまったく異なる業務
  • 業務内容が企業に対してまったく利益に寄与しない活動

である場合は就業体験というくくりで、無給でも合法である可能性もあります。

1週間程度のプログラムの組まれた短期インターンでは、セミナールームなどで特別に組まれた活動をするため無給でも良しとされているんですね。

しかし、一方でそういった長期インターンはほとんどないと言って良いでしょう。

大学生がインターンでただ働きをすべきでない4つのワケ

ここまでご説明させていただいた通り、長期インターン生と言えども企業に労働力を提供しているという点に関しては社員となんら変わりはありません。よって、長期インターンでは、無給ではなく給料が支給されるのが普通です。

もしあなたが給料の出ない長期インターンへの参加を考えているなら、一度考えなおしてみるのも大切かもしれません

1.学生を都合の良い労働力とみなしている

まず無給での長期インターン生を受け入れている企業は、学生を都合の良い“労働力”と見なしている可能性があるといえます
通常、人を雇って仕事をさせたらそれに見合った報酬を与えなければいけませんが、長期インターン生にはあくまで就業体験を提供しているという解釈を強引にしているのです。長期インターン生を無給で働かせるような企業の場合、任される業務も雑用のようなものばかりで、責任のある仕事を任せてもらえない場合があります。

学生を“戦力”として考えている会社なら、それに対する評価としての給料を支払うものです。無給というのは評価されていないと解釈されても仕方ないですね。

2.お金をもらって働く責任を感じられない

長期インターンをすることで学べる経験として、お金をもらって“働く”という意識が身につくというものがあります。しかし、無給のインターンだとこの会社で働く上での大切な経験が得られなくなってしまいます。

お金をもらって働いているという意識を身につけるのは、

  • 仕事の評価が給料として表れるため評価されていることが数字としてわかる
  • お金を受け取って働くという責任やプロ意識を認識する

という2つの意味でとても重要です。

無給で長期インターン生として働くことは、会社からの評価も形として表れずプロ意識も身につかないという意味で得られるハズの成長ができないのです

3.お金がもらえないと続かない

学生のみなさんにとって、お金は大切ですよね。どんなに成長や経験を得られるとはいえ、お金がもらえないんだと続かないことが多いです。
「どうせバイトするならインターンしよう」と思っている学生にとってはそもそもバイトの代わりとならないし、「無給ならインターンしながらアルバイトしよう」と思っていても続くのはせいぜい長期休みの間だけでしょう。

同じ理由で、無給でなくとも給料が最低賃金よりも安い長期インターンにも注意が必要です。しっかりと時給で給料を計算して、十分な給料がもらえているかどうかは確認しておきましょう。

そもそも会社としてしっかりしていない可能性が高い

そもそも一定の労働を行った者に対しては対価を支払うのが、法律的にも心情的にも常識であることは間違いありません。給料を支払っていない会社は、法律を破っている(もしくはグレーゾーンスレスレな)のです。
しっかりと給料を支払わない会社は、信頼できる会社と言えるでしょうか。

また無給での長期インターン受入れを行っている企業は本当に学生のことを考えてくれている企業でないと言えます。
そういった会社で長期インターンする前に、一度考えなおしてみてはいかがでしょうか。

そもそも無給だった!? 有給・無給の難しさ

現在実施されている長期インターンの多くは、きちんと給料が支給される有給のインターンであることがほとんどです。
しかし少し前までは、無給での長期インターンがほとんどでした。今でこそ長期インターン生が行う業務は労働と捉えられており給料も支給されていますが、ひと昔前までは長期インターンとはあくまで就業体験であり、労働ではないという解釈をされていたためです。
体験させてあげいるという解釈に、インターンが有給であるべきか無給であるべきかの判断の難しさがあります

有給インターンが増えてきていることは、長期インターンが増えたこととインターン生の労働に対して解釈が変わったということが一番大きいです。一方で、現在ではインターン生にもTwitterやFacebookを通じた発信力があるため、労働とみなされるような活動をさせていて無給だった場合大きな問題となりかねません。名ばかりインターンなどが問題として取り上げられていく中で、有給で働かせることが原則となったという背景もあります。