
こんにちは、ライターの田中です。
大半の学生にとって自分の未来のビジョンをうまく描くことって難しいですよね。でも、誰だってなんとなくは思っているはず。「自分の好きなことを仕事にできたら、それって最高なんじゃないか」って。
ただ、周りと違うことをする恐怖心や、本当にそれで食べていけるのかという不安はつきもの……。それでは、今自分のやりたいことを仕事にしている人って、どういう決断をしてここまできたのでしょう?
というわけで今回は、自分の「好き!」を仕事にして活躍している現役大学生のお話です。
場所は恵比寿ガーデンプレイスタワーに来ています。今回取材をしたのは、
大学3年生で、子供のやりたい!を実現するための会社『YouTuber Academy (ユーチューバーアカデミー)』を創設した齊藤 涼太郎さん。好きなことを仕事にする意義や、将来の描き方を存分に聞いてきました!
齊藤 涼太郎(さいとう・りょうたろう)さん
FULMA株式会社代表取締役。慶応義塾大学商学部。地元は北海道の旭川市。
目次
若くして『YouTuber Academy』設立……大変じゃないの?
今日はよろしくお願いします!齊藤さんは大学3年生にして『YouTuber Academy』を運営するFULMA株式会社を設立したということですが、それってすごく大変なことだと思うんです。不安はなかったんですか?
そうですね、私も起業を決意するまでは不安だらけでした。ただ、冷静になって不安要素やリスクを書き出してみると意外と少ないということが分かったんです。
ほお……。
まず、スキルについてですが、これは気にする必要ないと思ってます。今から勉強をし始めて20年後に事業をスタートさせるより、今スタートしてとりあえずやってみたほうが20年後、もっと自分にできることが増えて能力も高まっていると思うんです。
考えるよりも飛び込んでみろってことですね。でも、お金の問題もあったりしませんか?
例えば、僕はしていないですが、仮に3000万円ぐらい借金をしたとしても北海道で家を買ったと思えば払えない金額じゃないし、死ぬことはないだろうって(笑)。
思い切り具合が気持ちがいいですね……!
あと、「好き」を仕事にしようと思っている人を邪魔する一番の要因がプライドだと思うんです。うまくいかなかったら格好悪いって思われるかもしれないっていう。でも、そんな見栄は一刻も早く捨ててしまうべきだと思います。だって、自分が思っているほど周囲は自分に興味がないんです。だから、たとえ自分が失敗をしたとしても、周りはすぐに忘れてしまいます。だとしたら、つまらないプライドを捨ててチャレンジしないなんてもったいないと思いませんか?
ぐ、ぐうの音も出ない……。なんだか開始数分にしてすべて解決してしまった気がするんですが、なおさら齊藤さんがここまで思いきれた経緯や事業内容が気になってきたので、ぜひ聞かせてください!
『YouTuber Academy』について
まず、齊藤さんが設立した『YouTuber Academy』について教えてもらってもいいですか?
はい。子どもたちが「YouTuber になる」という体験を通して、自分の「やりたい!」をカタチにすることを目指した、日本初の習い事です。子供たちの「好き」から「学ぶ」を実現させるために、「YouTuberになる」という過程の中に、様々な教育プログラムを組み込んでいます。
具体的な授業の内容は動画作成で、インターネットに動画を投稿する上で知っておかなくてはいけないICTリテラシーや企画力の育成、自己表現の勉強をしてもらい、最終的には完成した動画を親後さんに鑑賞していただきます。
なるほど……!名前からして、YouTuberを輩出する学校のようなところなのかなと思っていたのですがそういうわけではないんですね。
はい、勘違いされることが多いのですが、本来の目的はYouTuberを育てるというところではないんです。子供たちのやりたいことが叶ったらいいなというのがうちの会社のミッションなので。
確かに、今子供のなりたい夢ランキングでYoutuberは上位ですもんね。
1位 サッカー選手・監督など
2位 野球選手・監督など
3位 医師
4位 ゲーム制作関連
5位 建築士
6位 ユーチューバー
7位 バスケットボール選手・コーチ
8位 大工
9位 警察官・警察関連
10位 科学者・研究者
はい。このランキングを参考にすれば、今の子供たちにとってYouTuberはバスケットボールよりはポピュラーだし人気なわけじゃないですか。でも、バスケットボール習う機会や環境よりYouTuberを習う機会や環境はバスケットボールよりも少ない。というか、ほぼない。だったら、自分が子供たちの夢を叶える環境を作ればいいって思ったんです。
すごい……。でもそれで大学生にして会社を作ろうって、相当の熱量がないとできないことですよね。
きっかけは子供が大好きだったから
もともと、子供が本当に大好きで。彼らの考える柔軟な発想は、軽々と私たちの想像を超えていく。それが面白いなって。自分が忘れてしまった大切なものを思い出させてくれるんですよ。それで、彼らのやりたいことを叶える仕事をしたいと思ったんです。
『好きを仕事に』ですね。普通に就職活動をするわけではなく、起業しようと思ったのはどうしてですか?
出会ってきた方々の影響だと思います。インターンをしているときや、今のシェアオフィス(※)でたくさんの人に出会いました。さまざまな起業家の人ともお会いしましたが、皆お金のためにやっているという感じではなく、自分がやりたいことに沿って生きているように思ったんです。そして、何より重要なのが自分のやりたいことと市場がマッチしていた。そんな方々に影響され、今に至ったという感じですね。
シェアオフィス・・・齊藤さんは現在、シェアオフィスでさまざまな起業家と共同のオフィスで働いています。
大切にしたいことを知る
また、今の私を形成しているといっても過言ではないのが大学1年の時に参加した『MAKERS UNIVERSITY』というプログラム。NPO法人ETIC.が運営する起業家を育てるプログラムです。そこでは、「あなたはこれから何がしたいの」ということを問われ続けるんです。黙々と自分の考えていることをノートに書き殴ったりしながら、自分がなにをしたくて、何のために生きていきたいのか何度も考えました。学生のうちから、こうたって自分を見つめなおすことができたのは、将来を考える上でとても重要な体験だったと思います。
確かに、普通にのほほんと学生生活を送っているだけでは「自分が将来何をして生きていきたいのか」なんて考えることはないかもしれません。
プログラムに参加しているのは、自分のやりたいこと、仕事にしたいことがある程度決まっている人ばかりでしたね。そういう環境に身を置けて、ぼんやりと「子供が好きだなー」と思っていた自分の考えが変わった気がします。
例えば、そのプログラムでどのような変化があったのでしょう?
そうですね、自分自身がどんな働き方をしたいのか気づくことできました。自分は、何をするかよりも誰の為に働きたいかを自分は重視していると。そして、子どもたちのために働きたいと思っていることに気づくことができました。
そのことに気づけたことが、『YouTuber Academy』創設のきっかけにもなっている?
そうですね。というよりは、子供たちがやりたいことをできる環境を作ろうと思い事業を始めることにしたという感じです。一度自分の中で大切にしている価値観を知れると、自分の行動や判断に自信が持てるようになるんです。
自分にとって大切な軸を決めることがとても重要なんですね。
自分の直感を信じて
齊藤さんは行動力がずば抜けてるなと感じたのですが、例えば周囲から起業をとめられたりアドバイスをもらったりはしなかったんですか?
ありましたよ。『YouTuber Academy』の事業のイメージが固まってきた頃、あるプログラムに参加した際の面談で「市場調査はしたの?」「市場規模は?」と何度も聞かれたことがありました。市場調査とか普通はやるのかもしれないけど、そもそも自分が作ろうとしているものは世の中にないものだし、市場はこれから作るわけだからそんなに調査に時間かけてられないと思って、結局やらなかったんです。
やらなかったんですか!私だったら、そんなことを言われたら不安になって思いとどまってしまうかもしれない……
それはもったいないですよ。自分がこれをしたい!と思ったらその直感を信じてほしいんです。机の上でうーんと唸りながら考えているより、実際にやって失敗して、次の案を試して……と繰り返していったほうが早い、というのが私の意見です。
齊藤さんと話していると、一度きりの人生なんだからやりたいことがあったらすぐにでもやってみないともったいないなって気持ちになりますね!
まとめ
ここまでは、やりたいことがあるのにプライドや不安が邪魔をして実現できていない人向けに質問をしてきましたが、そもそもやりたいことがなくて悩んでいるという人の将来の描き方について、アドバイスをお願いします!
>もし、今やりたいことがなくて悩んでいる人がいたら、何でもいいので興味を持って本気で取り組んでみてください。例えば教室で、隣の席に座っている友達がパソコンの画面に向かって真剣に作業をしていたら「何をしてるの?」と聞いてみるとか。自分のしたいことを楽しんで取り組んでいる人の話は、とても刺激的で魅力に溢れています。そういう風に、隣人からヒントをもらえることだってあるはずです。
「自分のしたいことを楽しんで取り組んでいる人」……。それはまさに齊藤さんのことだと思います。今日は素敵なお話、本当にありがとうございました!
さて、いかがだったでしょうか。
好きなことに全力で突き進んでいる齊藤さんのお話を聞いていて、いかに人の持つちっぽけなプライドが未来の可能性を狭めているのかに気が付きました。今回の記事で、自分の将来に悩んでいる全ての学生に一歩を踏み出すキッカケを与えることができたら幸いです。
あなたの直感は、きっとあなたの決断を阻む周囲のどんな言葉よりも正しい!それではまた。