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採用内定後にお礼状は出すべき?
インターン終了直後や面接後など、さまざまなシーンでお礼状を出す機会があります。いざお礼状を出そうと思っても「メールと手書きどちらが良いかわからない」と悩んでしまったり、そもそもお礼状は出す必要があるのだろうかと考えている就活生が多いのではないでしょうか?そこで今回は、出すべきか一番迷うであろう採用内定後のお礼状についてご紹介します。
内定お礼状とは?
内定お礼状とは、その名の通り採用内定をもらったあと企業に送る手紙のこと。内定通知書などを受け取ったときに、採用してくれたことへの感謝の気持ちや、これから働く上での意気込みなどを書いて送るのが一般的です。
最近では、お世話になったインターン先にお礼状を出す学生が増えています。お礼状を必要とされる機会が多いため、就職課や学生課が学生に対して「内定を受け取ったらお礼状を出しましょう」と指導をしている大学もあります。
内定後のお礼状は出すべき?
内定へのお礼状を出さなかったからと言って、内定が取り消されるわけではありません。しかし、印象が悪くなってしまう可能性は十分に考えられます。必ずしもお礼状を出さなければならない、というルールがあるわけではないにせよ、出した方が好印象を与えられます。
お礼状を出すタイミングは?
内定通知書もしくは内定承諾書が届いた翌日に送るのが、一番ベストなタイミングです。通知を受け取ったその日中、もしくは翌日には投函しておきたいもの。遅くとも、通位を受け取ってから1週間以内には、内定が決まっている企業に届いている状態が望ましいです。
お礼状は手書き?それともパソコン?
お礼状を出す場合は、手書きがオススメです。パソコンで打ち込むだけだと誠意が伝わりにくく、書かされている感を与えてしまうかもしれません。お礼状を送るという行為は、就職後も多々あります。学生のうちから、お礼状を送るというクセをつけておくと就職後も役立ちますよ。
お礼状を書くときのポイント
内定をもらった企業への感謝の気持ちや、入社後の意気込みについて丁寧にまとめ、読みやすさを意識しましょう!
時候の挨拶を入れる
はじめの挨拶にあたる頭語「拝啓」は、必ず入れましょう。この頭語には、「へりくだって申し上げます」を意味する謙譲語で、相手への敬意を示します。内定のお礼状はもちろん、取引先に送る手紙はすべて「拝啓」ではじめるのが一般的なマナーです。
また、時候の挨拶も必ず入れましょう!季節ごとであるのですが、通年使うことができる時候の挨拶には、次のようなものがあります。
・拝啓 ○○の候、貴社におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
・拝啓 ○○の候、皆様におかれましてはますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
ちなみに、春は桜、夏はひまわり、秋は紅葉、冬は雪といった具合に、季節に合わせて時候の挨拶は大体決まりがあります。
5月・・・新緑の侯、薫風の候(くんぷう)、立夏の候、晩春の候
6月・・・梅雨の侯、入梅の候、紫陽花の候、向暑の候
7月・・・盛夏の侯、猛暑の候、大暑の候、炎暑の候、夏祭の候
8月・・・残暑の侯、秋暑の候、晩夏の候、立秋の候、処暑の候
9月・・・初秋の侯、野分の候、白露の候、秋分の候、秋桜の候
10月・・・秋冷の侯、菊花の候、霜降の候、紅葉の候、仲秋の候、灯火親しむ候
11月・・・晩秋の侯、向寒の候、立冬の候、落葉の候、深秋の候
12月・・・初冬の侯、師走の候、歳末の候、冬至の候、大雪の候
1月・・・厳寒の侯、初春の候、大寒の候、新春の候、小寒の候
2月・・・余寒の侯、立春の候、春寒の候、節分の候、春浅の候
3月・・・早春の侯、春暖の候、浅春の候、春寒ゆるむ候
これらの時候の挨拶には、気候の変化や季節の移り変わりを表すのはもちろん、相手の健康を気遣うという意味が込められているんですよ。
ちょっとした季節の変化を書いておくだけで、「細かい配慮ができる人」と思ってもらえるかもしれません。時候の挨拶は、さまざまなビジネスシーンでも役立つので、覚えておくと便利ですよ!
感謝の気持ちを伝える
「この度は、内定をいただきまして誠にありがとうございます」という具合に、まずきちんと感謝の気持ちを伝えましょう。内定を出すまで採用チームでは何度も話し合いを繰り返しながら、候補者を絞っていきます。
そこには、時間も労力もコストもかかるもの。時間を割いてくれたことへのお礼の気持ちを丁寧に書きましょう。
入社前と後の抱負を盛り込む
入社前に学んでおきたいことや身につけておきたいスキルの話を盛り込みましょう。入社前の決意を伝えることで、仕事への意欲や前向きな姿勢のアピールにつながります。
また、卒業までをどう過ごし、入社後はどのように取り組んでいきたいのかなど、モチベーションの高さを伝えましょう!ちなみに、面接時に「○○についての知識を勉強しておくように」などと具体的なアドバイスがあった場合は、それを克服する旨なども書いておくと好印象を与えられますよ。
最後にあらためてお礼を伝える
お礼状を書く場合は、最後にあらためてお礼の言葉を伝えましょう。この部分のお礼には、「内定をいただきありがとうござます」という気持ちのほか、「目を通していただきありがとうございます」と相手への敬意を払う意味もあります。
必ず「敬具」で締める
頭語の「拝啓」と「敬具」は、必ずセットで使うということを覚えておきましょう!「敬具」には、「謹んで申し上げました」という意味が込められています。手紙の末尾に使い、相手への敬意を表しましょう。
ちなみに、「草々」で締めてしまう人がたまにいますが、これは友人や知人などの親しい相手に対して使う表現なので、目上の人に出すお礼状や手紙では使わないよう注意しましょう。
「草々」は「前略」とセットで使うと覚えておくと間違えることもないはずです。また、便箋の下部には、誰から誰に向けて書いたのか署名と宛名を忘れずに書きましょう。
例文1
この度は、内定をいただきまして、誠にありがとうございました。
私にとっては望外の喜びで、家族ともども大変喜んでおります。
1日でも早く貴社に貢献できるように、就業までの期間も一生懸命に努力して参ります。
面接でご指摘をいただきました英語力不足につきましては、入社までに克服できるようしていく所存です。
まだまだ至らない点もあるかと存じますが、今後共ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
この度は、内定をいただき、本当にありがとうございました。まずは、書面にて取り急ぎ御礼を申し上げます。敬具
平成○年○月○日
■■大学△△学部●年 ○○○○(名前)
株式会社○○○○ 人事部採用課 御中
例文2
株式会社○○○○ 人事部人事担当○○様■■大学△△学部●年 ○○○○(名前)
東京都○○市○○1-2-3謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
先日はお忙しいところを私のためにお時間をいただき、ありがとうございました。
また、この度は採用内定のご通知をいただき、誠にありがとうございます。
喜びのあまり、離れて暮らす実家の両親に報告の電話をいたしました。
4月から貴社で勤務できると思うと、改めて身の引き締まる思いです。どうか、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 まずはお礼申し上げたく、お便りいたしました。ありがとうございました。
敬具
内定のお礼状を出すときの封筒のサイズは?
企業から送られてきた内定通知書及び内定承諾書とともに、専用の返信用封筒が同封されているケースがあります。その場合は専用の返信用封筒を使って投函し、もし同封されていない場合は自分で封筒を準備をして送りましょう。
返信用封筒が同封されている場合
最近では、内定通知書や内定承諾書に返信用封筒が同封されていることが多々あります。この封筒には、サインをした内定承諾書や入社に必要な書類を入れて返信するためのもの。ここに、お礼状を入れてできれば当日中、遅くても1週間以内にポストに投函しましょう!
自分で封筒を準備する場合
返信用の封筒がなくて自分で買って送る場合は、A4サイズの3つ折りもしくは4つ折りの封筒を選びましょう。また、封筒の色は白がベストです。
茶封筒を選ぶ人がたまにいますが、請求書や見積書などと間違えられてしまう可能性があります。奇抜な柄や模様のデザイン避け、シンプルな無地の封筒を選んでください。
お礼状は横書きと縦書き、どっちが正解?
目上の人やあらたまった相手に手紙を送る場合、一般的には縦書きがマナーです。横書きにしてしまう人がいますが、横書きはカジュアルな印象が強いため、お礼状にはふさわしくありません。ビジネスでは縦書き、親しい友人や身内に送るときは横書きと覚えておきましょう。
就活でお世話になった先生にも送った方がいいの?
結論から言ってしまうと、「送らなければいけない」という義務はありません。しかし、面接の練習や就活へのアドバイスなど、あなたに親身になって真剣に向き合ってくれた人に対して、人としてきちんとお礼の気持ちは伝いたいもの。お世話になった人たちに対しても、手書きで思いの丈をつづりましょう。
例文1
おかげさまで、先程○○株式会社より内定通知が届きました。私の両親も大変喜んでおります。
このような将来性のある企業の内定をいただけましたのは、ひとえに○○先生にご助力いただいたお陰です。
今後は、このご恩を忘れずに職務に励み、1日も早く一人前のビジネスマンになるように努力いたします。
○○先生のご都合のよい日に、改めて父(母、両親)と共にお伺いし、お礼を申し上げたいと存じております。
まずはとり急ぎご報告とお礼を申し上げます。
敬具平成○年○月○日
■■大学△△学部●年 ○○○○(名前)
自分の言葉で感謝の気持ちを伝えよう!
企業への内定が決まったあとに企業に送るお礼状は、「必ず出さなければいけない」というわけではありません。しかし、時間を割いて面接の時間を作り内定を出してくれた企業に対して、人として感謝の気持ちは伝えたいものです。