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面接で「苦手な人はいますか?」と聞かれたら?
誰でも必ず1人くらい、苦手な人、どうも馬が合わない人というのはいるもの。しかし、社会に出ればどんなに苦手な人ともうまく付き合っていかなければなりません。
苦手だからといって距離を置く、挨拶をしない、というのが許されるのは学生まで。では、面接で「合わない人や苦手な人はいますか?」「どう接しますか?」という質問をされた場合、就活生はどう答えるべきなのでしょうか!
苦手な人との接し方を聞く面接官の意図とは?
そもそも、面接官は一体なぜ苦手な人や合わない人との接し方なんて聞くのでしょうか。その質問に対する候補者の答えから、何をチェックしているのか気になりませんか?
1. 人間性を知るため
やはり1番はこれです。苦手だからと挨拶をしなかったり、避けたりする人もなかにはいるでしょう。苦手だからとシャットアウトしてしまう人は「学生気分が抜けていない」「協調性がない」「自分本位」とマイナスな印象を与えてしまうこともあるんです。
2.適応能力があるかどうか
生まれ育った環境が違えば、性格、考え方、習慣は違って当然です。性格が合わない、いつも意見がぶつかる、時間にルーズなところが苦手など、自分と考えが合わない人ともうまく付き合っていかなければならないのが社会というもの。
人に合わせる適応能力があれば、上司からも取引先からも可愛がってもらえて得をするようなことって結構ありますよ。
3.問題解決能力
仮に苦手な人がいたとして、そのときどんな対応をするのか、どう接すればお互いが気持ちよく働くことができるのかといった問題解決能力をチェックしているケースもあります。
「苦手だから口を利かない」というのが一番手っ取り早く、楽な方法ではありますが、「もしかして嫌われているのかも」と相手を傷つけてしまったり、周りを気まずくさせてしまったりすることもあるので、できれば避けたい方法です。
「苦手な人はいますか?」の質問に答えるときのポイント
距離を置く、口を利かないはNG
当たり前ですが、「距離を置いて接する機会を少なくします」や「必要最低限のやり取りだけで済ませます」というような答え方は避けましょう。
苦手なものはできるだけ自分から遠ざけたい、という気持ちはとても理解できます。ですが、面接では「社会人としての意識が低い」「子供だな……」などと思われてしまうので、候補者から外されてしまう可能性があります。
嘘はつかない
よく思われようとして「苦手な人はいません」とか「その人にもたくさん良い部分があると思います」と答える学生も意外といます。
きれいな答え方ではありますが、これは逆効果です。本当に、苦手な人がいないという人はごく少数なので、嘘くさいと思われてしまう可能性が高いです。
なぜ苦手なのか納得できる理由を加える
「人こそ人の鏡」ということわざがあるように、他人の言動は自身を正すための良い手本になります。相手の嫌な部分が目についたり、苦手だと感じたりするのは、それが自分の弱点だから気になるのかも。
自分の短所を盛り込んで話すと、「自分を客観視できる人」と好感を持ってもらえるかもしれません。苦手な人がいること自体は決して悪いことではないんです。
「苦手な人がいたらどう対応しますか?」と聞かれたときの無難な答え方
例文1
また、苦手意識を持ったまま接してしまうと、相手からも同じように苦手意識を持たれる場合があるので、お互いのために私は、たとえ苦手な相手でも積極的に接するようにしています。
例文2
例文3
仕事においても、苦手な人と接するのは当たり前なので、苦手だなと感じる人ともうまく折り合いをつけられるように努力したいと考えています。
「嫌いなのはどんな人?」と直球で聞かれることもある
ストレートに、”嫌いな人”を聞かれたら「苦手な人は〜」に置き換えて答える
面接官によっては「苦手」という言い方ではなく、「嫌いなのはどんな人?どんなタイプ?」と質問してくる場合があります。その質問に答えるときは必ず「苦手な人」に置き換えて答えましょう。
なぜなら、”嫌い”だと「生理的に受け付けない」「どうしても許せない」というネガティブな要素が強くなってしまうからです。面接官の引っ掛けの可能性が高いので、「嫌いな人は〜……」とそのまま答えるのは絶対にオススメしません!
一般的な解答が無難
「時間を守らない人」「嘘をつく人」「いい加減な人」「協調性がない人」など、一般的に共感してもらえるような行為をする人を答えるのが無難です。
ただ、言いっ放しだと自分のことを棚にあげている感が出てしまうので、「私(僕)も人に不快な想いをさせないように注意したいと思います」などのフォローと前向きな気持ちを伝えると好印象を与えられます。
実際に人事に聞いてみた!「苦手な人がいたらどうしますか?」の質問に対する正解は?
面接で「苦手な人がいたらどうしますか?」と聞かれた場合、どう答えるのが良いのか、株式会社DiGのCOO、鎌田睦(かまだ・あつし)さんにお話を聞いてきました。

面接で多い質問のひとつに「苦手な人はいますか?」というのがあると思うのですが、面接官はなぜこれを聞くのでしょうか?

やっぱり、「苦手な人がいた場合の対処法を知りたい」っていうシンプルな理由です。社会に出たら、自分と合わない人とも連携を取りながら仕事をしないといけない。馬が合う人とのコミュニティでやっていくフィールドじゃないし、社会人って学生と違うので。

就活生は、その質問に対してどう答えるのが正解ですか?

今お話しした、面接官の質問の意図を汲み取った解答がベストですよね。双方にとって気持ちの良い答え方ができるのがいいかなぁ。無難なところでいうと、「自分から積極的にコミュニケーションをとるようにしています」っていう答えなんかも良いと思う。

では、「苦手な人がいた場合どうしますか?」と聞かれたら、対処法プラスなぜその行動をとるのか、ということも絡めた方が印象としてはプラスになりますか?

もちろん。過去にうまくいった経験があるとか、本を読んでそう感じたからとか、理由をプラスした方が説得力はありますよね。

素直に答えた方がいいんですね!

そうですよ。苦手なタイプを答えてそれで終わりじゃなくてね。素直な答えがその人の本音だし、どんな性格なのかがわかるじゃないですか。

ちなみに「この人とはどうしても合わない」と感じた場合、鎌田さんならどうしますか?

演じることかな。これはね、実際に僕が前職時代にやっていた方法なんだけど、苦手な人のこともめちゃくちゃ好きなように振る舞うんです。「◯◯さんの前での自分」「◯◯さんの前では◯◯な自分」って、いくつも引き出しを持っておく。そうするとね、割り切って仕事ができるようになるんです。

演じる、ですか。「嫌だな」って思ったとき、表情に出てしまったりしないんですか?

演じてるときはスイッチが入ってるから、意外と大丈夫。この方法って、取引先との接待とか商談とかいろいろなビジネスシーンで役立つからオススメですよ。自分が「こいつ苦手だわ」と思っている人って、相手も自分のことを苦手だと思ってることもあるだろうし。

確かに、恋愛でもそうですよね。「お互いに第一印象は最悪だった」っていうカップル結構いますし。

本当にその通りです。それにね、答え方がまずかったからといって必ずしも不採用になるわけじゃない。答え方が「良い悪い」ではなくて、企業に合うか合わないか、だから。もちろん、企業によって判断基準はそれぞれだと思うんですけどね。

本日はありがとうございました!
苦手な人とも向き合う姿勢を見せよう!
「この人とは馬が合わない」などと苦手意識を感じる人は必ずいるもの。もし面接で「苦手な人はいますか?」「苦手な人がいたらどうしますか?」と聞かれたら、素直な気持ちを伝えるようにしましょう。
でも「避ける」、「距離を置く」と突っぱねてしまうのではなく、苦手であることが納得できる理由と、それに対する自分なりの考えも合わせて答えてみてください!
【編集:岡冨 りさ】