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部活とバイトの両立って可能?
大学で部活動をはじめて数ヶ月経つと、気持ちにも余裕ができるので、また何か新しいことに挑戦したくなります。例えば、もうひとつ部活を兼部してみるとか、アルバイトを増やしてみるとか。アルバイトを増やせば自分で稼いだお金をもっと好きなように使えるようになるので、大学生活がより潤い、毎日がもっと楽しく感じられることもあるでしょう。
しかし、部活とバイトのバランスがうまく取れず「テスト勉強の時間が減る」「バイトとの両立が難しい」などと悩む学生も意外といます。最近では『ブラック部活』という言葉もあるほどなので、やみくもに勧誘された部活に入るのも危険です。入部する前に本当に健全な部活なのかどうか、自分できちんと見極める必要があるのです。
大学で部活をするメリットとデメリット
そもそも大学で部活に入るとどんなメリット、デメリットがあるのでしょうか?改めてその両面から部活について考えてみたいと思います。
メリット
(1)出会いに恵まれる
まず、部活に入ることで、同性はもちろん、異性と出会えるチャンスに恵まれます。部活にはさまざまな学部、学科の学生が集まるので、年々、異性との出会いが少なくなるといわれる大学生活において、絶好のチャンスだといえます。運動部で女子マネージャーと選手が恋愛に発展する、という憧れの展開も十分にありうる話です。
(2)打ち込めるものが見つかる
自分が夢中になれるもの、力を注げるものを見つけるきっかけになります。大学によってさまざまですが、ダンス部、チアリーディング部、バレーボール部、写真部など、本当に多くの種類の部活が存在します。
「友達に誘われて」「少し経験がある」など動機は人それぞれにせよ、4年間の大学生活がより充実した時間になるのです。
(3)一生付き合える仲間ができる
苦しみや喜びを分かち合った仲間は、普通に知り合った友達とはそこに生まれる友情の深さが違います。楽しいことばかりではなく、意見の食い違いで衝突することや試合に負けて一緒に悔し涙を流すこともきっとあるはずです。
苦しみを共に乗り越えながら一緒の時間を過ごした仲間とは、卒業してからも一生付き合える深い関係を築くことができます。
(4)忍耐力が培われる
全国大会常連校である場合などは特に、毎日の部活練習は非常にハードです。肉体的な面はもちろんのこと、精神的に追い込まれることもあり、あらゆる面で負荷がかかります。
しかし、そんな4年間の部活動を通して自然と忍耐力が身についていき、どんなことにもめげない鋼の心を作ることができるのです。忍耐力というのは、一朝一夕で身につくものではありません。
(5)上下関係を学べる
運動部の場合は特に、上下関係を重んじている部活が多く存在します。先輩よりも早く来て部室を掃除したり、自分から挨拶をしなければならなかったり、社会に出ると当たり前になることを部活を通して身につけることができます。
先輩たちがスムーズに部活に打ち込めるように先回りして動くことで、きめ細やかな気遣いを学ぶことができるのです。厳しい上下関係で培った心配りは、社会に出てから上司をアテンドする際や接待の席でも必ず活きてきます。
(6)達成感を味わえる
「◯◯大会で優勝した」「練習で出せなかった成果が本番で出せた」など、仲間とともに目標を成し遂げることで達成感を味わうことができます。
この達成感というのは、仲間の存在があってこそ感じられもの。達成したときの喜びは、「また次も頑張ろう」という原動力にもなるのです。
(7)面接の時のネタ作りになる
面接でよく聞かれる質問のひとつに「学生時代、もっとも頑張ったことは何ですか?」というものがあります。部活で出会った信頼し合える仲間というのは、自分の弱みや恥ずかしい部分などもさらけ出せるかけがえのない存在です。
人間関係や就活の悩みなど、クラスの友達には相談しにくいことも、信頼できる部活の仲間になら気楽に打ち明けられます。相談役がいるということは、自分の心をさらに豊かにしてくれるはずです。
デメリット
(1)時間を制約される
放課後に練習、休日は遠征など、自分の時間が削られてしまいます。大学にもよりますが、部活動が盛んな学校の場合は、テスト期間中も部活動が休止にならず、時間を短縮しての練習がおこなわれているところもあります。課題の提出期限がギリギリになる、卒業論文に全く手をつけられていないなど、学業がおそろかになってしまうことも。
(2)バイトとの両立が難しい
(1)の内容の結果として、バイトをしていた場合は両立が難しくなります。部長やチームリーダーを任された場合は特に、コーチと練習内容のプランを練ったり、後輩の教育をしなくてはならなかったりで、バイトの出勤頻度にも影響してしまうかもしれません。何ごとも体が資本なので、決して無理をせず、優先順位を考えてうまくバランスをとるようにしましょう。
(3)お金がかかる
合宿や遠征での施設宿泊代金、交通費、食費など何かとお金がかかるもの。大学によって金額に多少の差はありますが、年間数万円の部費がかかります。親からの仕送り援助は受けずに、バイト代のみで生計を立てている学生にとって、支出が増えるのはかなりの痛手となります。
この他にも、それに付随した打ち上げや飲み会などもあるので、部活に入る前に部費の金額について、よく吟味してから選ぶのが賢明です。
(4)部活以外での友達ができづらい
一生付き合える仲間ができる一方、部活以外での友達ができづらいというデメリットも存在します。リア充グループはすでにコミュニティが確立されていて、後から加わるというのはなかなかハードルが高いので、どうしてもクラスで浮いてしまいがちです。
日頃から部活外の人ともほど良くコミュニケーションをとって、付かず離れずの関係を築けると良いですね。
こんなブラック部活は辞めよう
近年では、従業員に過重労働を強いる”ブラック企業”という言葉が定着しています。実は、大学の部活にも「ブラック部活」というものが存在すること、ご存じでしたか?
ブラック部活とは、長時間の練習、テスト期間中の遠征や合宿など、学業を圧迫する部活動のことを指します。大学に限らず、中学校や高校でもこのようなブラック部活は問題となっています。「入った部活がブラック部活だった」とならないために、どんな部活をブラック部活と呼ぶのか、見ていきましょう。
学業をおろそかにしがち
テスト期間中であるのにも関わらず、通常と変わらないハードな練習、休日返上での遠征や合宿などがある部活は注意が必要です。「学生の本分は勉強である」といわれているように、健全な大学生活を送るための学業がおろそかになってしまっては本末転倒です。
飲み会が多い
何かにつけて無駄な飲み会が多い、というパターンです。ゆるいサークルの場合は特に、小さな大会や練習のあとに毎日、など事あるごとに飲み会を開く傾向にあります。「お酒が飲めない」と断ったところで「付き合いが悪い」とハブられてしまう可能性も。
こういった部活は健全な部活ではないため、事前にまわりの人に評判を聞くなどのリサーチをして、飲み会が異様に多い場合は入らないのが賢明です。
拘束時間が長い
練習時間がやたらと長い、という部活はブラック部活である可能性が非常に高いです。先輩が全員帰るまで帰宅できない、休日は始発で学校に行って終電で家に帰る、など、学生を長時間縛りつける部活は意外とあります。
ブラック部活の場合は休みになることがほとんどないので、そのまま続けているとなかなか疲れが取れずに、体調不良で倒れてしまう、なんて可能性もあります。
顧問の指導が根性論
高熱があろうが怪我をしていようが「気合いで乗り切れ」などと根性論で指導する顧問がいた場合、それは間違いなくブラック部活だといえるでしょう。
また、体調不良で練習に遅れてきた部員にペナルティを課す、水も飲ませず炎天下のなか延々と練習をさせるなど、指導自体に問題がある可能性が非常に高いです。部員の自主性を重んじるのではなく、部員をただ追い込むだけの部活は絶対に入らないようにしましょう。
部活を円満に辞める方法
万が一、入部してしまったあとにブラック部活だということが判明した場合は、すぐにでも辞めるべきです。そんなとき、なんて言えば良いのか、できるだけ波風を立てず、穏便に退部するためには、相手を納得させるための理由が必要です。
ということで、部活を辞めたい!と思ったときに使える、王道の理由を3つ、お教えしたいと思います。
勉強に集中したい
部活を円満にやめる1番の方法は、学業を理由にすること。1番当たり障りがなく無難な理由なので、部活を辞めたあとも気まずくなることが少なく、良好な人間関係をキープしやすくなるのです。成績がものすごく下がってしまったというていで、あくまで学業に専念したいから、ということをひたすら強調しましょう。
人間関係
雰囲気になじめない、という人間関係を理由にした辞め方です。部内で派閥ができていたり、苦手な先輩後輩がいたりするのは仕方がないこと。
私が学生時代に所属していた陸上部では、1年生が挨拶しても返事をしない、同級生同士での派閥がある、といった人間関係に耐えられず、辞めていく人が何人もいました。辞めた直後は少し気まずくなりますが、時間と共にそれも和らいでいきます。
金銭面
一人暮らしをしている学生にとって、これはもっとも説得力のある辞め方だといえます。部活で使う道具やスポーツ保険、各地でおこなわれる試合への交通費や合宿費など、部活によっては稼いだバイト代が部費で消えてしまう……ということも珍しくありません。
何かに夢中になることは大切ですが、生活が成り立たなくなってしまっては元も子もありません。お金がないことを恥じる必要は全くないので、部活の部長や顧問に正直に打ち明けましょう。
部活を辞めるときはメールで伝えてもいい?
いざ部活を辞めようと思ったらまず、顧問にその旨を直接話しましょう。何も相談なしにメールやLINEのやり取りだけ、退部届を渡して一方的に終わりにしてしまう人が多くいますが、常識的な観点からいうと、それは失礼な行為にあたります。
顔も見たくないくらい、今すぐにでも辞めたかったとしても、直接話して辞めるのがマナーというもの。まずは顧問に相談をしてから辞める日程を決め、その後のフローは顧問の指示を仰ぎましょう。最後の挨拶まできちんとできていれば、気まずくなって身をひそめながら大学生活を送る、ということにもならないはずです。
打ち込めるものを見つけよう
ブラック部活という言葉もありますが、必ずしもすべての大学の部活動がそうだとは限りません。仲間とともに汗水垂らしながら一生懸命練習に打ち込み、結果を出している部活はたくさんあります。
厳しい上下関係を学べたり、信頼し合える仲間と達成感を味わえたりというのは、普通に勉強するだけの大学生活を送っていたら、味わうことはできないでしょう。自分が夢中になれる部活と出会い、大学生活をより素晴らしいものにできたらいいですね。
【編集:岡冨 りさ】