【就活で使える!】塾講師のバイト経験をより魅力的な自己PRに使える方法とは!

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塾講師のバイトって就活のとき有利になるの?

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大学生に人気があるアルバイトのひとつに「塾講師」があります。塾講師は、まだ何も知らない、何も分からない子どもたちに新しいことを分かりやすく教えなければなりません。

人にものを教えるということを繰り返していくうちに、自然とプレゼンテーション能力が磨かれていき、伝えたいことの要点をかいつまんで簡潔に伝えるスキルが備わっていくのです。そんな塾講師の経験は就活において、面接の合否に影響するのでしょうか?

「塾講師をやっていました」という自己PRはありきたり?

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結論から言ってしまうと、塾講師の経験そのものが就活に有利になるわけではありません。塾講師という経験を通して培ったプレゼンテーション能力や物事を簡潔に伝える能力が評価され、それが”採用”という結果に結びつくのです。

面接では、「どんなアルバイトをしたのか」ということよりも「そこから何を学んだのか」を具体的に突っ込まれます。したがって面接では、ただ単に「塾講師をやっていました」という自己PRをするだけではどうしてもアピールポイントとしては弱くなってしまうのです。

塾講師と普通のバイトの違いって?

考える女性

そもそも、塾講師と普通のアルバイトの違いは一体どんなところにあるでしょうか。塾講師はカフェやカラオケ店でのアルバイトとは違い、”生徒”を相手にします。そのため、授業の教え方が下手だったり、担当した生徒の成績があまり良くなかったりすると、講師としてはもちろん塾全体の評判も落としてしまう可能性も。そのくらい、塾講師は責任が大きいといわれる仕事なんです。

自分がいくらやる気にあふれていても、生徒本人が勉強に対してやる気がない、授業を真面目に受けてくれない、というケースもあるものです。それをいかにやる気にさせて成績をアップできるかが、塾講師に求められる能力であり、塾講師のアルバイトを通してあなたが学べるスキルでもあるのです。

塾講師の経験を就活で語るときのポイントは?

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先ほどもお伝えした通り、塾講師のアルバイトの経験自体が必ずしも就活に有利になるとは限りません。塾講師の経験をアピールするとき、多くの生徒が「生徒の成績がアップしました」「生徒の立場に立った授業を心がけました」などと答えます。でもこれだけでは、正直ありきたりすぎて面接官の心には刺さりません。「塾講師をしていた」という経験やそのときにあったことを述べるだけではなく、「具体的にどんな仕事をしてどんな成果を出したのか」を伝えることがとても重要なんですよ。

塾講師をするとどんなスキルを得られる?

社風

プレゼンスキルがアップする

やはり一番はこれです。生徒の質問の内容と意味を即時に把握して、しっかりとその回答になるように大切なポイントを踏まえて話さなければなりません。しかし、授業の時間は限られているので、ただ順序立てて説明するのでは時間が足りなくなってしまいます。そこで、いかに的確に教えられるか、というプレゼンテーション能力(プレゼンスキル)が磨かれることになります。

塾によって、5〜20人程度の小規模教室型授業や1対1の個別指導などさまざまなタイプがありますが、いかなる場合もきちんと相手の状況を把握し、それに応じて話を進めるスキルが身につくであろうことは間違いありません。

スケジュール管理を徹底できる

塾講師は「いつまでに偏差値◯◯まで上げる」「次回の期末テストでは全教科◯◯点以上は絶対にとる」など、生徒それぞれの現在の成績に合わせて、対策を練らなければなりません。

生徒の勉強のやり方が間違っていたら一緒に見直したり、三者面談の機会をつくったり、自分で予定を組み立てる力が身につきます。もちろん、プリントを印刷して配るだけという人もなかにはいるので、「塾講師」とひと口に言っても、その業務内容はさまざまです。

問題解決能力が磨かれる

プレゼンスキルと少し似ている部分がありますが、スケジュールを立てたら、次はその障害となりえることについて考えると思います。「相手は何に悩んでいるんだろう」「どうすれば苦手科目を克服できるのだろうか」と、自分から課題を見つけ出し解決を図ろうとしますよね。この作業の繰り返しによって、自分自身の問題解決能力が磨かれていくことにもなるのです。

企業が求める人材にマッチしているかどうかが大切

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塾講師の経験を面接で話すのであれば、それが企業が求める人物像とリンクしているか、ということを意識して話しましょう。

「学生時代は塾講師をしていました」「生徒に寄り添った授業を心がけました」と、塾講師経験をつらつら答えただけでは、魅力的な自己PRにはなりません。面接官からしたら「それで?」となってしまいます。これでは、サッカーが強いチームに「私はサッカーをやったことがあります」と言っているのと同じようなもの。

求められていることプラスα

面接では、「求められていることにプラスα、役割を全うした経験」を盛り込みましょう例えば、「成績が伸び悩んでいた生徒と1対1の面談、そして三者面談をおこない……」とか「生徒が興味を持てる授業の方法をまず考え、歴史の内容についてその子が大好きな漫画に例えて話すようにしました。その結果〜……」という具合に、問題解決のために自分が起こしたアクションを加えて話すことで、説得力が生まれるんです。

経験を仕事にどう活かせるのか

これもとても大切な要素になります。塾講師の経験で得たスキルや知見をその後、業務にどう活かすことができるのか、ということです。企業は人ひとりを採用するのに実は数百万単位のコストがかかっているので、入社後のミスマッチは避けたいと強く考えているもの。

そのため、面接担当者は、「自社に入ったら◯部署に入れよう」「このスキルは◯部署での業務に活かせるな」と、ある程度その人の今後をイメージしながら面接をおこなっています。つまり、あなたが企業にとっていかに需要な人材であるかをアピールしましょう!

より魅力的な自己PRにする方法とは?

塾講師の経験を自己PRとしてうまく使うためには、自身の努力や結果に繋がるまでのプロセスを順序立てて説明することがポイントです。

自分の貢献度を明確にする

「生徒たちの目線に立った教え方を考え、こちらの意図が伝わるように心がけました。その結果、生徒たちが話に興味を持ちやすくなり、ひとりひとりの成績も上がりました」という自己PRは、出来事を話しているだけで、現状の改善に向けて具体的にあなたが何をしたのか、ということがいまいち伝えられていません。

自分がどうコミットしてどんな結果をもたらしたのか、どんな影響がもたらされたのかをより明確に伝えましょう。

自分の努力を伝える

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人に何かを教える、伝える、というのはなかなかうまくできるものではありません。誰もが最初から完璧にできることではなく、うまく伝えられずに悩んだことや苦しい思いをしたことだってあったはずです。

採用者は、失敗や成功の出来事そのものよりも「できなかったことを克服した経験」「失敗とどう向き合ったのか」というエピソードを好む傾向にあります。良いことばかりを言おうとせずに、失敗談とその状況をどのようにして打開したのか、自分の努力をきちんと絡めて話しましょう。

質問への回答力をアピールする

塾講師として働いていると、生徒からの質問やその意図を瞬時に判断して回答する、という能力が自然と身に付いていきます。これによって、面接官の質問の意図をすぐに理解できるようにもなるのです。

また、聞かれた質問に対して、ポイントを踏まえて話す力が磨かれているので、テキパキと答えられるでしょう。質問にきちんと答えられていれば、「こちらの言いたいことをきちんと理解することができている」と、面接官から好印象を持ってもらえるはずです。

丁寧かつ簡潔に伝える力をアピールする

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塾講師は、時間が限られているなかで効率よく授業を進めていかなければなりません。そのため、面接官からの想定外な質問にもスラスラと簡潔に答えられるようになるのです。

面接では、応募者ひとりひとりに与えられている時間が限られています。要点が分かりやすく、コンパクトにまとまった受け答えができると、より良い印象を与えられるはずです。

また、物事を端的に伝えるという能力は、就職後のプレゼンテーションの場でも発揮され、「場慣れしている」「話が簡潔でわかりやすい」と好印象を持ってもらえるでしょう。

具体的な数字を入れる

生徒のテストの成績が「◯点上がった」というような具体的なエピソードがある場合は、具体的な数字もぜひ盛り込みましょう。

数字を付け加えるだけで、説得力が一気にアップします。たとえば、「生徒たちの成績があがりました」というよりも「生徒の数学の成績が◯点もあがりました」という方が信ぴょう性がありますよね。数字を交えて定量的に伝えられるよう、話し方を工夫しましょう。

自信を持って話そう

スマホをいじる女性

塾講師を通して得た学びやスキルは必ずあります。自信を持って堂々と、面接官にアピールしましょう!複数の応募者がズラリと並ぶ集団面接では、隣にいる「学生時代は学生団体を立ち上げて◯◯をしました」というような目立った経歴を持った学生の気迫に負けて、自信をなくしてしまうこともあるでしょう。でもそんなときこそ自信を持ってハキハキと話し、面接官に好印象を与えましょう。

就活で塾講師経験を自己PRできる例文

面接

それではここで、面接官に好印象を与えられる例文をいくつかご紹介します。現在、塾講師のアルバイトをしている人はそのまま使えるかもしれませんので必見です!

例文1

私は、大学時代に塾講師のアルバイトをしていました。大勢の子どもたちを相手にする仕事でしたが、まだ子どもである彼らにも当然ひとりの人間としての意志があり、感情があります。彼らと接する機会が増えるたびに、子どもだからという甘い考えで接してしまうのは失礼だと実感しました。また、当たり前ですがひとりひとりに個性があって、物事を理解するまでのスピードにも違いがあり、各々に合う接し方や教え方というものがあるということを学べる貴重な場となりました。

それに加えて、子どもたちには保護者という存在が必ずいます。私よりも年上で、社会人として経験も積んでこられた保護者の方と、子どもたちの学力の伸びや学習姿勢、今後の進路について、真剣に話す機会が多く、非常に濃い経験となりました。これらは塾講師だからこそ経験できたことだと思っています。

 

例文2

私は以前、勉強嫌いな中学生の塾講師をしていた時期があります。その中学生は、地頭は良いのですが、成績は決して良い方ではありません。そこで私は、なぜ勉強が嫌いなのかを知るところからはじめました。その中学生と話をしてみた結果、学校の先生の話、クラスの仲間の話、クラブの話などから、勉強に興味を持てなくなった理由が学校の授業のスピードにあるのだとわかりました。自分がきちんと理解しきれていないのに、授業がどんどん先に進んでしまっていたのです。

その話を聞いてから私は、教え子の表情や目をきちんと見ながら教えることに注力しました。少しでもわかりにくい表現をすると、表情がこわばったり口元に感情が現れます。

ただ単に解き方だけを教えるのではなく、まずは勉強に集中できる環境を整えてあげることがとても大切で、自分自身の価値観を押し付けた方法ではなく、対話の中から相手にとってベストな状況を作り出す大切さを学ぶことができました。

 

例文3

私は、困難なことに誠意を持って行動することができます。以前、アルバイト先の個別指導塾で学習障害のある小学生の児童と出会い、約3年間に及んでその子の指導を担当させていただきました。私がおこなったのは、ありきたりな読み書きの授業ではなく、粘土を数十個に分けて計算問題を解いていくという独自の方法です。その子の探究心や好奇心を煽る方法を模索しながら、試行錯誤を繰り返して粘り強く指導に取り組みました。
すると、奇跡的にその子の症状に若干の回復が見られ、最後は粘土を使わなくても自分で計算問題を解けるようになりました。このことから、「愛情を持って地道に努力すれば必ず報われる」という大切なことを学びました。

 

 例文4

私は大学1年生より、◯◯塾の個別指導の講師をしていました。生徒ひとりひとりの理解度に合わせた勉強方法やカリキュラムを考えるなど、臨機応変な対応力とコミュニケーション力を身に付けることができました。

ここで得たスキルをを生かし、御社に入社後も同じチームのメンバーひとりひとりをしっかりとサポートしていきたいと思います。学んだ経験をいかして頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

直接人事に聞いてみた!塾講師の経験があると面接に受かりやすいの?

ライターの渡辺です。それではここからは、某企業の人事を務める根崎さんにお話を伺っていきたいと思います!

よろしくお願いします。

早速ですが、塾講師の経験は就活に有利になるかどうか教えていただけますか?

うーん、どうでしょう。正直、塾講師の経験があったからと言って、採用が有利になるわけではないですね。

そうなんですか。ただ単に「塾講師をやっていました」というだけではアピールできないということですね。

アピールできない、というわけではありません。塾講師をしたことがある、という経験よりも「どんな仕事をしてたの?」ってところの方が重要だと思います。

同じ塾講師でも、人によって業務内容って全然違うものですか?

違うと思います。うちに面談に来る学生さんの話になるんですけど、生徒にプリントを配って添削するだけの人もいれば、その生徒に合ったカリキュラムを考えたり、志望校に合格させるための勉強法を提案していたり。あとは、集団塾で教えながら個別での進路相談や保護者との面談をする人もいたりするんです。

そうなんですね。それでは塾講師の経験をアピールするなら、より具体的なエピソードや成功体験が必要なんですね。

そうですね。塾講師のアルバイト経験を自分の強みとして話すのであれば、どういう目的意識を持ってどんな行動をとったのか、という具体的なエピソードが大切だと思います。

「生徒の成績が上がった」「志望校に合格させた」とかは結果が見えやすい分、話し方によってはありきたりな内容になってしまうんですかね?

はい。やっぱり、どうやって生徒たちを成功に導いていったのか、というところまで落とし込めないと、他のアルバイトと同じですよね。

根崎さんは、学生のどんな部分を評価しますか?

やっぱり、ちゃんと落とし込んだ回答のできる学生は、相手に共感できる人、相手の意図を汲み取れる人なんだろうな、と感じます。

具体的なエピソードがある人の方が、「入社したら◯◯部署に配属させようかな」ってイメージしやすいんですよね?

それはもちろん。営業職に就かせたらピカイチですよね。お客さまの課題解決をするために何かをする、というところで経験が活きてくるんじゃないかな、と思います。相手をハッピーにするために自分は何ができるのかな、って考えた提案ができるじゃないですか。

面接で話すときは、やはり具体的なエピソードがあると入社後のイメージがつきやすくなるということですね。

そうですね。その人の成長過程をイメージできた方が、採用側は興味を持つと思います。

なるほど。本日は貴重なお話をありがとうございました!

 

塾講師の経験は活かせる

ビジネスウーマン

「塾講師をしていました」という事実を伝えるだけでは、十分な自己PRにはなりません。塾講師のアルバイト経験を通して何を得たのか、そこから得たどのような能力で、会社にどう貢献できるのか、具体的なエピソードを絡めながら、きちんと自己PRにつなげましょう。

【編集:岡冨 りさ】