簿記って就職に役立つの? そんな疑問にお答えします

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簿記は就職に必要ではない

大学生が持っている資格の中で多いのが簿記ですね。財務諸表を読みこなし、経理や財務管理の仕事をする上で必要な考え方が身に付く資格です。ESに書く資格が何もないよりは、何かを取得しようとして就活前に勉強を始める人もいるようです。

簿記の資格を持っていることは、就職に必須なのでしょうか? 意外かもしれませんが、企業が新卒の採用選考で簿記の資格を必須とすることはほとんどありません。業務で会計知識が必要とされる企業でも、内定してから入社するまで、または入社後の研修期間に取らせる会社が多いです。特に大企業は入社後の研修が手厚いです。入社後に業務と並行しながら会計を勉強した方が効率がよいと考えているのかもしれません。

では、簿記を持っていても就活で有利になることはないのでしょうか? 日商簿記は1級から4級までありますが、大学生で取得している人が多いのは、簿記2級または3級を取得している人です。残念ながら簿記2級や3級の資格があるというだけで就職に決定的な影響を与えるということはありません簿記は大学で会計を学ぶ多くの学生が持っているので、ESに書いたからといってそこまで目につくものではないからです

ちなみに簿記2級のレベルは商業高校の卒業程度です。商業簿記や工業簿記の問題が出題され、貸借対照表や損益計算書から経営の状況を読みとける力が必要です。平均合格率は約3割とされています。そこまで取得が簡単ではないのですが、学習を始めて大体数か月で資格取得が目指せることから、多くの大学生が取得に向けて勉強している資格です。

簿記の勉強は、営業にも経理にも役立つ

簿記取得のための勉強は、企業における経理や会計を学ぶ上で必須の知識です。入社後に経理に配属されれば、簿記の知識が大きく役立ちます。しかし日本の多くの企業は総合職として新卒を採用するため、経理の専門職として採用されることは多くありません。では、経理職以外に配属された場合、簿記の勉強が無駄になってしまうのでしょうか?

決してそんなことはありません。金融関係の業種に就く人は必ず入社前後で簿記の勉強をすることになるでしょう。銀行だけでなく、保険や証券、金融関係のシステムエンジニアも、仕事をする上で必要な知識となります。また一般企業の中では、特に法人を相手にする営業職や、小売店を管理するスーパーバイザーでは簿記の知識が大いに役立ちます

もしどうしても経理職をピンポイントで目指したいという場合は、簿記を取得するほかに、長期のインターンに参加して、実務経験を少しでも積み、経理への適性ややる気をアピールすることをオススメします。

何級から有利? 2級でも3級でも、ESに書いて損はない

日商簿記2級も3級も大きく有利になることはないのですが、とっておいたら役に立つことはありますし、ESにも書いて損になることはありません何級でも、持っているなら書いた方がよいでしょう
また大学で専攻していた分野にもよります。商学部であれば簿記をもっていても驚かれることはありませんが、例えば理系の学生で簿記を持っている就活生は、目新しく感じてもらえることもあるかもしれません。

どうしても簿記でアドバンテージを取りたいなら、1級を取っているというのは大きなアピールポイントです。簿記1級は公認会計士や税理士などへの登竜門とされています。2級に含まれる商業簿記や工業簿記に加えて、会計学や原価計算を修得する必要があります。会社法や財務諸表等規則など法律に関する知識も必要です。大学で会計学を専門に学ぶ方が目指すレベルの資格で、決して片手間の勉強で取れるものではありません。

なお、日商簿記以外の簿記検定もありますが、残念ながら知名度があるとはいえません。就活でESに書いたとしても、有利に働くことは少ないでしょう。