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インターンって無意味?時間の無駄?
突然ですが、あなたはインターンに参加していますか?社会人経験が豊富な大人たちと一緒に働くことで、将来に役立つスキルを身につけることができたり、面接での話題作りができたり。大学同士の狭いコミュニティでは得られない知識や知見を広げられる経験として、近年、インターンシップに参加する学生がどんどん増えてきました。その一方で「実は意味ない」「やるだけ無駄」といった意見も目立ちます。実際のところ、インターンは意味がないのでしょうか?
学生のインターン参加は8割強
ちなみに、某メディアが大学1〜4年生を対象に「これまでインターンシップに参加した経験はありますか?」というアンケートによると、なんと8割以上の学生が「ある」と回答しています。2人に1人がインターンに参加しているということです。
また、アメリカやイギリスなどの諸外国においては、インターンの参加は当たり前となっています。それは、採用方法に理由があります。通年採用をメインとしているアメリカでは、より即戦力となる人材が求められるため、インターンに参加して実務経験のある学生を採用するケースが非常に多いのです。これだけインターンの重要性が叫ばれるなか、どうしてインターンは意味がないと言われているのでしょうか?
長期と短期どちらのインターンを選ぶ?
インターンへの参加は意味がないのか、あるのか、ということについてお話をする前に、まずはインターンの種類についておさらいしましょう。
そもそもインターンには種類があります。まず1つ目が短期インターン。これは、社内見学やグループでのプレゼンやディスカッションがほとんど。企業の事業内容や魅力をアピールする、いわばPRのようなもの。最近では、会社説明会を短期インターンと呼ぶ企業もあり、1dayや3daysなど期間の短いものが多い傾向にあります。
続いて2つ目は、長期インターンです。その名の通り、数ヶ月、数年など長期にわたって行うもの。会社の実務に携わるため、早い段階から超実践型で社会に必要な実務経験を積むことができます。与えられた業務には責任や裁量が求められますが、その分アルバイトや短期インターンでは経験することができないスキルアップや成長機会を得られるのです。
インターンは意味がない?ある?
上で紹介しましたが、短期と長期どちらのインターンを選ぶかによって、参加する「意味」というものが変わります。学生たちはインターンの参加に対してどう思っているのでしょうか?意味がない派と意味がある派のそれぞれにアンケートを実施しました。
意味ない派
意味ある派
インターンは採用に関係するの?
「インターンは採用に有利」という言葉をちょこちょこ耳にします。事実、長期インターンを踏んだ上での採用を導入している企業もなかにはあるようです。インターンとして働くことで会社の理念やカルチャーに共感し、結果的にそれが企業と学生とのミスマッチを防ぐことにつながっているのではないでしょうか。
企業では、ひとりの人を雇うために○百万円という膨大な採用コストを投資しています。入社後も手厚い研修やセミナーへの参加といったマネジメントコストがかかりますよね。しかし、「思っていた仕事内容と違った」「社内の雰囲気が自分には合わない」「人間関係がうまくいかない」など入社後のミスマッチで離職されてしまった場合、どうなるでしょうか?企業にとっては大きな損失となるばかりか、イメージの低下だって考えられます。
インターンに参加すれば絶対に内定が決まるというわけではないにせよ、少なくとも、企業にとっても学生にとってもウィンウィンな関係を構築できるのではないでしょうか?
インターンとアルバイトの違いって?
インターンとアルバイトの違いってなんだと思いますか?私自身、よくインターンをしている学生からお話を伺う機会が多いのですが、全員が「アルバイトとインターンは違う」と答えます。その理由は一体なんなのでしょうか?アルバイトとインターンを比較しながら見ていきます。
アルバイト
アルバイトの主な目的は「お金を稼ぐこと」にあります。新作の洋服が欲しい、友達と海外旅行に行きたいなど、理由はさまざまです。また、お店にはマニュアルが用意されている場合が多いため、言われたこと、与えられた業務をただこなす「作業」が多く、特別なスキルは必要ありません。
インターン
インターンでは「成長すること」が目的となります。何か特別なマニュアルがあるわけではないため、自発的に業務を探して仕事を生み出す必要があるのです。また、責任ある仕事を任されるケースが非常に多いため、その分成果や結果を求められます。計画を立てて実行し課題を分析してみる。このPDCAを繰り返すことで、結果的に大きな成長機会を得ることができるのです。
インターンは本当に成長できるのか?
長期インターンへの参加によって、圧倒的な成長機会を得られるのは確かです。先ほどもお話をしましたが、社会人経験が豊富な大人たちの中に混じって働くことは、組織の一員として見られるということ。ビジネスマナーの基本的なやり取り、苦手な上司とのコミュニケーションの取り方など、実務経験を積めるのは間違いありません。
多くの学生が「短期インターンは意味がない」と感じてしまうのは、選ぶもの、参加するものが短期のインターンだからかもしれません。学生同士が集まって、ディスカッションをするグループワークだけで完結してしまう内容のものは結構あります。確かに、議論や意見を交換する機会というのは貴重な場であるはずです。しかし、同い年の学生同士では会話に発展性がないばかりか、必ずしもそれが有益な時間になるとは限りません。
サマーインターンはほとんど意味なし?
結論から言ってしまえば、スキルの向上を目指す学生にとってサマーインターンは、あまり意味がないかもしれません。というのも、このサマーインターンは、1日で完結するものがほとんどで長くても数週間程度だからです。平均を見てみると、1週間前後という非常に短い期間のものが目立ちます。具体的な内容としては、会社説明会や社内見学、複数名でのグループディスカッションといったワークショップがメイン。学生にとっては、興味のある業界や企業の取り組み、事業内容を聞けるいい機会となり、企業側からすると自社のPRや理解を深めてもらうきっかけの場となっています。
成長機会を得たい、将来のスキルに役立つスキルを学びたいと考える学生にとっては、意味のない時間となる可能性があるのです。
企業で働くインターン生に聞いてみた!
果たして、インターンの参加は本当に意味があることなのかどうか、デジタルマーケティング事業を営む株式会社キュービックで長期インターンとして働いている学生、中村真也さんにお話を伺いました。

こんにちは!渡辺です。本日はよろしくお願いします。それでは、単刀直入にお伺いしますが、インターンに参加することは意味があると思いますか?それともないと思いますか?

そうですねぇ。。。インターン=就活と考えているのであれば、あまり意味はないかもしれないです。これは、あくまでも僕の個人的な意見なんですけど。

どうしてですか?

社会で働く人たちがどんな知識を持っていて、どんな働き方をしているのかを知れるという面では勉強になります。ただ、それって、就職した後に自分がどういうキャリアを踏みたいのかによって捉え方が変わると思うんですよね。

ということは、意味があると思う気持ちと、意味がないと思う気持ち半々ということですか?

そうですね、半々くらいです。ベンチャーやスタートアップ企業の場合、即戦力が求められるじゃないですか。その観点から考えると、会社で働いたことがある方が明らかに即戦力になりますよね。

確かに。実務経験やスキルがある方が、即戦力を求めている企業にとっては採用しやすいですよね。

はい。インターンと言えど、僕らは学生なので、自慢をしたり鼻を高くしすぎたりするのは気をつけたいですよね。任せてもらえる仕事には裁量や責任が伴います。けど、その分成長機会が多いのは間違いありません。成長したから終わりじゃなくて、その先に何を求めるのか、何をしたいのかが明確になっていれば、インターンをする意味ってあると思いますよ。

インターン=就活のゴールではないということですね。

そうですね。会社に入ることがゴールじゃなくて、これから先もその環境で活躍する人材でありたいのであれば、インターンに参加する意味はあると思います!

お忙しいなかお話ありがとうございました!
インターンは意味がある!
実際に企業で働くインターン生に取材をしました。話を聞いていて感じたことは、ただ働くだけでは意味のないもので終わってしまう可能性がある。けれど、目的が明確になっていればインターンは絶対に意味があるということ。「インターンはやっても意味がない」「インターンをやるならアルバイトをした方がいい」という意見も見受けられますが、本当にそう思いますか?
意味があることはもちろん、社会人と学生のちょうど中間にいるインターン生だからこそ発見できる何かがきっとあるはずです。その何かは、成長機会だったり、成功体験だったり、やりたいことだったり、人それぞれ。これまで意味がないと感じていた人はぜひ一度、インターンに参加してみてはいかがでしょうか?学生同士では得られない自分だけの何かに、きっと出会えるはずです。