キュレーションメディアって実際どうなの!?中の人に聞いてみた

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何かと話題のキュレーションメディア

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みなさん、どうもこんにちは。ライターの渡辺です。

最近何かと話題にのぼる「キュレーションメディア」。信憑性がない、モラルに欠けるなどと色々言われていますが、果たして本当に「悪」なのでしょうか。

今回はキュレーションメディアの真相について、実際にスタッフとして働くTさんにインタビューしてきました!

 

Q.Tさん、本日はよろしくお願いします。それではまず、簡単に自己紹介をお願いします。

A.はい、私は以前紙媒体に5年間勤め、その後現在のキュレーションメディアに転職しました。今はディレクターとして、コンテンツ運営に携わっています。今日は率直な意見をお話できれば、と思っています。

 

Q.早速ですが、キュレーションメディアが何か分からない人も多いと思うので、どういうメディアなのか教えてください。

A.ざっくり言ってしまうと、コンセプトに沿った情報を集めて公開するメディア(媒体)のことです。さまざまな美術品を集めて展覧会を企画する、専門知識を持ったプロフェッショナルな人たちのことを「キュレーター」って呼びますよね。

これを業界に置き換えて、情報を洗い出すプロたちがキュレーター、そして、それらをまとめたものを記事として発信するのがメディア。このふたつの言葉をくっつけて、「キュレーションメディア」と言われるようになったんです。

 

Q.最近、キュレーションメディアはつまらないものが多い、なんて言われていますがなぜでしょうか?

A.考えられる原因は、SEO重視のライティングにあると思います。というのは、今のSEOのアルゴリズムはキーワードさえしっかり踏んでおけば、記事として高く評価されるからです。たとえキーワードに対する理解や知識が浅い素人がブログ感覚で書いたとしても、高い評価を得られて検索上位に表示されてしまうんです。

また、記事の中身がTwitterやFacebookなどの引用で埋め尽くされたコンテンツが増えていることも、原因のひとつだと考えられます。こうしたSEOにとらわれたライティングや引用などにより、中身がうすいコンテンツがネット上に蔓延するから、「メディアとしてつまらなくなる」と言われてしまのではないでしょうか。

 

Q.引用の話に戻りますが、人のSNSを記事で使う場合は許可を取るんですよね?

A.許可を得ずに転載しているメディアもあります。もちろんすべてがそうだとは断言できませんが、キュレーションメディアのほとんどは、無断転載はクレームが来なければOKみたいな、暗黙のルール化している部分がある。毎回毎回本人に「使っていいですか」って許可を得ていたら、やり取りに時間がかかるし、その分記事の公開本数が激減してしまいます。

とは言え、それはこちらの勝手な都合であって、持ち主本人とは関係ないことです。やっぱり罪悪感はあります。人のものを勝手に使ったらまずい、人としてどうなんだろうって。

実際に無断転載した記事を見た情報の持ち主から、「プライベートで書いてるブログの内容を勝手に使うな」「人のつぶやきを無断で載せるなんて人としてありえない」「使うならひと言言うべきでしょ。モラルがない」とクレームがきたことは何度もありました。さすがにこのままじゃまずい!ということで、以降社内では事前の許可申請を徹底しています。

 

Q.キュレーションメディアが悪だ、なんて言われてしまうのはこういったところに原因があるのでしょうか?

A.無断掲載だけが、そうした「悪」だとネガティブに思われる原因ではないと思います。ただ、信用性に欠けるといった意味では、そう捉えざるを得ないのかもしれません。

今は専門知識が必要な内容を記事にするとき、医師や大学教授などその道のプロを監修につけているメディアが増えているのも事実です。もし「変な情報流してる」なんて書き込みがSNS上に拡散したら、それこそメディアとして窮地に追い込まれてしまうかもしれないからです。

けれど、キュレーションメディアにおいてTwitterやFacebookの引用は必要なツールでもあります。なぜなら、そこには体験した人にしか分からないリアルな声が詰まっているから。そしてそれは、私たちが本来付加すべきプラスαの情報であって、それこそ真のユーザーニーズなんじゃないかな、と思います。

 

Q.とても勉強になりました。Tさん、お話ありがとうございました。それでは最後に、何か一言お願いします。

A.今回私がお話したことが全て正しいとは限りません。ただこれだけは言わせてください。「つまらない」「信憑性がない」と言われているコンテンツも多いですが、キュレーションメディア=悪ではないのです。掘り下げた情報を展開し「読んでおもしろかった」と思えるような、クオリティの高いコンテンツを追求しているキュレーションメディアはたくさんあります。

私もそうしようと奮闘していますが、ロイヤリティの高いキュレーションメディアとして価値をもっとあげていくためには、ユーザーにとってより有益な情報と、そこにおける真のニーズを汲み取ったコンテンツを作ることが重要だと考えています。