面接で「あなたの短所を教えてください」と聞く意図とその答え方とは?

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面接で「あなたの短所を教えてください」って聞かれたら?

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面接で、「あなたの強みを教えてください」とセットで聞かれる「あなたの短所を教えてください」という問いかけ。これに対し、あなたならどう答えますか?頑固、心配性、人見知り、せっかちなどいろいろあると思います。

「短所は頑固です、なんて言ったら落とされるかもしれない」と不安になり、どう答えるべきか悩んでしまうもの。確かに、なにも考えずにただ淡々と短所を述べるだけではマイナスな印象を与えてしまうかもしれません。

では、どう答えるのが正解なのでしょうか?面接官たちがこの質問をする意図をきちんと理解しておけば、的確な答え方が見えてくるはずです。

「あなたの短所を教えてください」と聞く面接官の意図とは?

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自分の強みは自信を持って答えられても、短所というとなかなか答えづらいもの。そもそもなぜ、面接官たちはあなたに短所を聞くのでしょうか?その意図さえ把握できていれば、適切な答え方を導き出せるはずです。

自分を客観視できるかどうか

自分で自分のウィークポイントを知っているかどうか、ということをチェックしています。人それぞれ長所があれば、頑固、せっかち、マイペースなど短所があるのは当然です。面接官たちが「短所を教えてください」とあなたに聞くのは、自分自身を客観視できているのかどうかを確認するためなんですよ。

100%完璧な人間などいません。面接官もそのことはわかったうえで、あえて質問してあなたの本来の姿を知りたいと考えているのです。

自分ときちんと向き合えているかどうか

自分が不快に感じることや嫌だと思うことがあると、ついつい目を背けたくなることってありませんか?短所というのは、自分自身で気づいてはいてもなかなか向き合いにくいことだったりします。面接官に聞かれたときにスラスラと答えられる人は、「きちんと自己分析ができる人」と思ってもらえるのです。

問題解決力があるかどうか

短所とどう向き合い、それをどのようにして解決するのか、といった問題解決能力もチェックしています。短所と向き合うと、「このままではいけない」という思いから改善するためのアクションが必要となります。それを繰り返すことで、問題解決能力が磨かれていくのです。

こうした心がけは身についていき、仕事でもその力が発揮されます。社会に出れば、思いもよらない問題や壁にぶち当たることがあるでしょう。自分で改善できる力があれば、物事の本質をきちんと見極めて問題を解決できるようになるのです。

誠実さや素直さがあるかどうか

自分の短所を悟られまいと、うわべだけのことを言っても、人生の先輩である面接官にはすぐに見破られてしまうでしょう。自分の欠点とまっすぐに向き合える誠実さや素直さは、働くうえでとても大切なことなのです。

いくら経験やスキルがあったとしても、人の意見を素直に聞き入れられず、ふてくされたような態度をとっている人には成長がありません。ちなみにですが、私は企業の人事担当者からお話を伺う機会が多く「どんな人と一緒に働きたいですか?」と質問をすると、みなさん口をそろえて「素直な人」と答えます。素直で誠実な人であれば、どんな荒波も乗り越えていけるのではないでしょうか。

短所を答えるときに気をつけたいポイント

ゼミ

自分の短所は正直に話しましょう、と言いましたがなんでもかんでも言えばいい、というわけではありません。では、何をどう気をつければいいのでしょうか?

ネガティブな印象を与える言い方は避けよう

社会人として、マナーに不信感を抱かれるような答え方は避けましょう。たとえば、「人見知り」「時間にルーズ」「おおざっぱ」「協調性がない」「自分に自信がない」「マイナス思考」など。

これらはネガティブな印象を与えてしまうので、絶対に言わないようにしましょう。会社に入れば、職場には自分とは性格も考え方も異なる人が多くいます。

また、社外の人とも接する機会が増えるため「人見知り」などと言っていては、ビジネスチャンスを逃してしまうことだってあるかもしれません。マイナスイメージを与えないよう、ネガティブな言い方だけは避けましょう。

応募職種に不向きな言い方は避けよう

もし、あなたが接客業や営業職を志望していたとしましょう。面接で「人見知りです」と答えた場合、面接官はどう思うでしょうか?「人見知りなのに、どうして営業職を希望したんだ?」と疑問を抱かれてしまうかもしれません。

応募している企業に不向きな言い方や、希望している職種に関して明らかに致命的だと思われる答え方は避けましょう。仮に、人見知りだけれども接客業や営業職につきたい場合は、悲しいかな本当にその仕事が自分に合っているのかどうかを再検討した方がいいかもしれません。

見た目に関することは言わない

やせている、太っている、体が弱い、○○の持病がある、といった見た目や体質についての発言は避けましょう。もし、太っていることが短所だと思っているのだとしたら、それは短所ではなくコンプレックスです。

見当違いな答え方をして面接官を戸惑わせてしまうため、イメージ低下は避けられないでしょう。身体的な問題については原則NG、ということを覚えておいてください。

「短所はありません」はNG

雨

「短所はありません」という返答は一番やってはいけない答え方です。面接官の問いかけを完全にシャットアウトするスタイルとなるため、面接官からは「どれだけ自分に自信があるんだろう」「自己分析ができない人」「誠実さがない人だ……」と思われ、候補者から外されてしまうかもしれません。

繰り返しになりますが、面接官はあなたに意地悪をしたり、あなたの正体を暴こうとしたりしているわけではありません。純粋に、あなたがどういう人なのかを知りたいだけなのです。

面接で上手に短所を答えるコツ!

考える女性

「それでは、あなたの短所について教えてください」と聞かれた場合、ポジティブな印象を与える答え方のコツをご紹介します。

努力次第でカバーできる短所

できるだけ、努力次第でカバーできる短所を挙げましょう。具体的に言うと、「几帳面」「慎重になりすぎる」「熱くなりすぎる」など。これは、人によっては長所とも取れるかもしれません。そこがポイントなんです。

たとえば、慎重になりすぎるのであれば、行動までに時間がかかってしまうので素早く意思決定をできるようにする、など。これであれば、具体的なアクションプランを考えられるため、努力次第でいくらでも解決できますよね。

改善に向けたポジティブな話を盛り込む

スーツ姿の女性

面接官は、あなたが自覚している短所とどう向き合い、どのように改善をしたのか、という点を重要視しています。「私の短所は慎重になりすぎるところです」という話し方と、「インターンを通じ、自発的に仕事を見つけて自分で判断できるように心がけました」という話し方では、明らかに後者の方が魅力的ですよね。

話を聞いてくれている面接官に、「この学生はほかと違うな」と興味を持ってもらうことが大切です。興味を引きつけられた面接官はきっと、あなたと一緒に働く姿をイメージしながら話を聞いてくれるでしょう。

応募企業の適正から外れない

応募した企業が求める人材にふさわしいかどうか、応募した職種の適正にフィットしているのかどうか、ということを頭に入れて話しましょう。

企画力が問われる出版社の面接で「発想力がないことです」と言ったり、総合職の面接で「人見知りでコミュニケーションを取るのが苦手です」と言ってしまった場合は、アウトになる可能性が考えられます。自分が応募している職種から外れてしまわぬよう、発言には気をつけたいものです。

面接で短所を聞かれたらこう答えよう!

肩を組み振り返るサークルクラッシャー

ここまでお話をした内容を踏まえ、「あなたの短所を教えてください」と言われた場合のベストな返し方を見ていきましょう!

頑固

「私の短所は頑固なところです。以前までは、ほかの人の意見を素直に受け入れることができず、自分のやり方が一番正しいと思い込んでいました。また、自分の意見には責任を持ちたいという思いが強かったという面もありました。

しかし、インターンに参加したとき、自分の考えに固執するあまり、仕事で失敗をしてしまいました。このときの経験により、人が教えてくれたことを素直に受け入れる大切さをあらためて感じ、自分の間違いに気づくことができました。今は、一度冷静になって相手の意見を聞くように心がけています」

 

心配性

「私は、細かい部分まで気になって、何度も確認しないと気がすまない性格です。部活動やサークルのイベント準備など、本当にできているのかどうか不安になり何度も確認をしてしまいます。その分、慎重に物事を進めるので失敗は少ないのですが、時間がかかってしまうことが問題だと思っています。

たとえば、インターンをしていた頃、クライアントに提出する資料の数字に間違いがないか、念入りに確認をするあまり期限がぎりぎりになってしまったことがありました。それ以降、確認する時間も加味して、余裕を持ってスケジュールを立てるように心がけています」

 

せっかち

「結論を急いでしまうのが短所です。スピード感を持って進められるとは思いますが、小さなミスを見逃してしまいます。以前、働いていたアルバイト先でお会計の際、金銭の授受で間違いがありお客さまからクレームをいただいたことがありました。

さらに、この失敗を通して相手に急かしているような印象を与えてしまうことに気づき、相手の状況を考えて行動するよう意識しています。その結果、スピードだけではなく小さなミスも減り、自分が逆の立場ならどう思うか?ということをより深く考えて行動できるようになりました」

 

緊張しい

「私はすぐに緊張してしまいます。インターンをしていた頃、社員や役員の前でプレゼンテーションをする機会が何度かありました。人前で話すと頭が真っ白になり話せなくなってしまうことが多々あったため、事前の準備や練習を入念に行うことを徹底しています。

準備をしていてもあがってしまうことはありますが、入念に準備をおこなっているので大きな失敗につながることはありません。これを何度も繰り返し、少しずつでも自信を持って話せるようになりたいと思っています」

 

優柔不断

「私の短所は優柔不断なところです。意見をなかなかひとつに決めきれず、判断に時間がかかることがあります。ゼミ長を務めていたとき、合宿の行き先や費用について、参加者全員の意見を聞いて考え込んでしまい、時間内に結論を出せなかったことがありました。

それ以降、優先すべきことを先に全員に伝え、期限を決めながら意思決定をできるようになりました。また、自分自身が判断すべきときにすぐに結論が出せない場合は、「その件は○日まで待ってほしい」と伝えて、期限までに必ず決めるように努めています」

 

ポジティブな答え方を心がけよう

高層ビル

面接で100%聞かれる「あなたの短所を教えてください」という問いかけ。面接官は、なにも、あなたを追い詰めようとして聞いているのではなく、客観性、素直さ、問題解決能力を探りあなたのことを知りたいと考えているのです。努力次第で改善できる!という前向きな発言を心がけ、内定に近づけましょう!