面接と面談の違いって知ってる?両方を実施する企業の目的とは?

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面接と面談の違いって知ってる?

考える女性
就職活動が始まると、会社説明会やら面接やらで忙しくなりますよね。ところで、あなたは面談と面接の違いってご存じですか?

面接と聞くと、面接官からあれこれ質問される緊張の場と考える人が多いのではないでしょうか?では、面談は?面接よりもフランクな印象があり、リラックスして受けることができます

しかし、面接と面談は、実は似ているようで意味やその内容がまったく違うんですよ。ということで今回は、面談と面接の違いについて解説していきます。

面接と面談の違いを理解している就活生は4割

雑談中の大学生
就活生430名を対象に某メディアが行ったアンケートによると、「面談と面接の違いを知っていますか?」という質問に対しておおよそ6割の人が「知らない」と回答しています。

つまり、就活中の半数以上の学生がその違いを知らずに就活をしている、ということに。それでは早速、面接と面談の目的を絡めながらそれぞれの意味を見ていきましょう。

そもそも面接の目的と意味とは?

雑談中の学生
就職活動、アルバイト、インターンなど、新しい会社に就職するときは必ず面接がありますよね。そもそも面接の目的は下記の2つです。

(1)企業の人事担当者が応募者と直接会うこと

(2)質疑応答を繰り広げながら、お互いの意思を確認すること

面接をすることにより、履歴書には書かれていない応募者の人間性、ポテンシャル、仕事への意欲や積極性、社風にフィットするのかなどの資質と適合性を判断しているのです。

応募者にとっては、人事担当者から投げかけられた質問に答えることで、自分自身を知って興味を持ってもらい、企業や職務に対する意欲をアピールできる場とされています。採用をする上での面接は非常に重要です。

応募者は自分の前向きな姿勢を売り込み、企業側は会社や業務への理解を深めてもらい、ミスマッチを防ぐ役割をになっているのです。

ひと口に面接と言っても、中にはよっては一次面接、二次面接、三次面接など段階を踏んで優秀な人材をより絞りやすくしている企業も数多く見受けられます。

面接の種類について

面接中の女性

集団面接

たとえば多いのが集団面接です。これは、その名の通り複数の応募者を一度にまとめて面接する方法。応募者は4人から8人程度のグループとなり、面接官は同じ質問をひとりずつ順番に投げかけていきます。

応募者からすると、「あいつよりいいこと言わないと」「自分よりもいい受け答えしてる。。。」などと比べてしまうこともあるでしょう。

しかし、企業の採用者側からするとより優秀な人材を選別しやすく、面接にかかる時間を大幅に短縮できます。ここでひとつ集団面接での体験談をご紹介します。

「数年前に就活していた頃の話です。私はもともとあがり症でした。だから、集団面接があると聞いた時は本当にどうしようかと思い、かまないように面接練習を繰り返してセリフを頭に叩き込みました。

僕と同じフループの学生たちは質問にスラスラ答えていて、僕は『ちゃんと言わなきゃ』ってそればっかり。いざ自分の番になったら緊張で頭が真っ白になり、パニック状態です。

終わった。。。そう思っていまいしたが、無事に最終選考にこぎつけ内定をもらえました。

後から当時の面接官に『一生懸命な姿勢が好印象だった』と言っていただけて本当に嬉しかったです。前向きな姿勢が大切なんだと思います」(27歳・男性)

 

グループディスカッション

研修

グループディスカッションという方法もあり、企業側から与えられたテーマやお題に沿って決められた時間内で議論を進めていくというもの。

グループディスカッションでは、発言力、提案力、企画力、ミュニケーション能力、積極性、協調性、リーダーシップなどあらゆるスキルが求められます。

一方的に質問を投げかけられる一対一の面接や集団面接と違って非常に対策がしにくいのです。

したがって、常日頃からひとつの話題やテーマに対する発言力や、議題を円滑に進められるかどうかをトレーニングする必要があります。

「私は小中高とバレー部に所属していて、高校時代はリーダーとして県大会にも出場した経験があります。

だから、リーダーシップや発言力には自信がある方でした。与えられたテーマに対して『もっとこうした方が良くない?』『私はこう思う』とかガンガンアピールしまくっていたんです。

その方が採用者からできる人だと思ってもらえるんじゃないかって思ったので。

でも結局、私は集団面接で落とされてしまったんです。他の候補者を蹴落としてまで積極的にアピールしようとする私の姿勢が仇になったのかもしれません。。。」(21歳・女性)

圧迫面接

雨

圧迫面接とは、「君さぁ、何で自分が内定もらえないかわかってる?」「君が在学中に学んだこと、全然大したことないね」などの威圧的な発言などで、応募者のメンタルを追い込んでいくというもの。

さらに、応募者が質問に答える度にあくびをして露骨に飽きたような態度を見せたり、面接官同士でヒソヒソ話をすといった態度が多いのも特徴です。この圧迫面接に出くわす就活生は思いの外いたりします。

圧迫面接では、わざと意地悪な質問をぶつけたり高圧的な態度をとって、面接官たちは応募者のストレス耐性や臨機応変さを見極めているのです。「そんなことってあるの?」と思う方もいるはずなので、ここで圧迫面接の事例をひとつご紹介します。

「とある中小企業の面接に行った時の話です。部屋に入り自己紹介をしていても、面接官たちは目も合わせずキョロキョロキョロキョロ。

面接が始まっても、こちらが質問に答えているのに面接官同士でヒソヒソ話をしたり、頬杖をついてボーッと遠くを見つめたり。。。

僕は英文科を専攻していたんですけど、「へぇ、あそう」「それで?」とかこちらに興味を示すどころか会話すら成り立たない状況に、マジでイライラしました。

でもまあ圧迫面接については色々調べてたし、これがそうかと思って淡々と進めました。

なんだかんだで内定はもらいましたが、ブラックだと思って辞退しました」(21歳・男性)

 

面談の目的と意味とは?

スマホを見る女性
面談の目的は、企業の人事担当者と応募者が対等な立場で相互の理解を深めるための場です。人事担当者が主導となり質疑応答を行う面接に対し、面談はざっくばらんに話し合う機会とされています。

企業側は、応募者もしくは候補者に自社のビジネスモデルや業務内容、雇用形態などについて詳しく説明しながら、魅力をアピールすることを目的としています。

応募者にとっては、職場への熱意やキャリアビジョン、給与や待遇などの詳しい情報をやり取りできるのです。この時、企業側は入社を前提に話を進めていくので、変に気負いすることもないでしょう。

つまり、企業側と応募者の立場が同列で話し合えるすり合わせの場というわけ。採用担当者主導で行うのではなくあくまで対等な立場でやり取りができます。

面接に比べてややハードルが下がるため、変に緊張することなく自然なやり取りが生まれやすいという特徴があります。

面談は内定後や採用後に行われるケースが多い

スーツ姿の女性
相互の理解をより深める場として設けられている面談は、基本的には最終選考通過した後、もしくは内定、採用後に行われる場合がほとんどです。

面接では話しきれなかったより具体的な業務内容、入社後の研修内容、就業時間、給与や休暇についての待遇といった、就業条件のすり合わせや職場説明などがメインとなります。

面接では、自社のカルチャーにフィットするのかどうか、応募者の意欲や人間性についてを厳しくチェックしています。

しかし、面談では企業側は条件交渉と考え実施している場合が多いため、面接ほど堅苦しい雰囲気になることはまずありません。

カジュアル面談という例外もある

雑談する男女
面接を行わずに「カジュアル面談」という選考プロセスを導入する企業も中にはあるようです。先ほど面談は最終選考通過後、内定、採用後に行うとお話をしましたが、カジュアル面談を最初の段階で実施します。

ここで企業側は具体的な業務内容やビジネスモデルなどについてを説明します。応募者は将来設計や意欲、希望する職種などを話し、企業の社風にマッチするのかどうか相性を判断するのです。

もし双方に認識のズレやミスマッチがないと企業側が判断した場合、面接というステップに移ります。面談というカジュアルなやり取りに「なんだ、結構緊張しないで話せる会社で良かったわ」と安心するかもしれません。

しかし、カジュアル面談の場で口調や振る舞いにボロが出てしまった場合は、面接への道は断たれてしまうのです。カジュアル面談を取り入れている企業は、緊張感がない場でも社会人としての振る舞いができるのかどうか、丁寧な対応ができるのかどうかを厳しくチェックしています。

聞かれた質問に答える、という堅苦しいスタイルではありません。ですが、根本的には面接と同じ選考基準であることを意識して挑みましょう。

企業が面談と面接を使い分ける理由

スーツを着た女性
そもそもなぜ、企業側は面接と面談の両方を実施するのでしょうか?その背景には、日本の労働環境の変化が大きく関係しているようです。

より優秀な人材を確保するため

日本の労働人口が減り少子高齢化が進むと言われているなか、若者世代の働き方や企業選びは徐々に変わりつつあります。これまでは、ブランド、肩書き、給与、知名度などが企業選びの基準となっていました。

しかし現在は、働きがい、人間関係、会社のビジョンなどを重要視する若者が徐々に増えてきており、企業選の価値観が変化しています。つまり、企業は「選ぶ」という立場から「選ばれる立場」となっているのです。

優秀な学生は様々な企業から声がかかり引く手あまたとなっているため、企業側は採用方法についてより慎重になっています。そのため、面接と面談の両方を実施することでより優秀な学生を獲得したいと考えているのです。

攻めの採用を行うため

選ぶ時代から選ばれる時代となった今、応募してきた就活生と面接するだけでは企業の魅力を十分に伝えきれません。そこで、面談という相互の理解を深めるヒアリングの場を儲けているのです。

自社に興味を持ってもらえるよう、企業側は求人情報に載っていない内容を開示します。こうして、攻めの採用で応募意欲を促しより多くの優秀な人材を確保しているのだと言えます。

面接で適合性をチェックし面談ですり合わせ

パソコンの前で考える男性

面接では企業の採用者側がハンドルを握り「志望動機を教えてください」「学生時代にもっとも打ち込んだことは何ですか?」「挫折や失敗経験について教えてください」など、質問が飛んできます。

そ一方で面談では、面接や会社説明会では伝えきれなかった具体的な自社の業務内容、指針、給与や休暇といった待遇や就業規則についての説明がメインとなります。

面接は価値観、人間性、労働意欲を厳しくチェックされるのに対し、面談は相互理解を深めることを目的としているのです。面談は採用決定後に行われるケースが多いため、最終的なすり合わせの場と認識しておくと良いでしょう。

しかし、中には面談からの面接というイレギュラーな場合もあるため、普段から社会人として恥ずかしくない振る舞いを心がけたいものです。