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面接での自己紹介がうまくできない
面接がはじまると「それではまず、1分間で自己紹介をお願いします」と言われます。「何をどこまで話せばいいのだろうか」「内容が自己PRとかぶってしまう……」と悩んでしまう就活生が多いのではないでしょうか?
限られた時間のなかで、最初の自己紹介がうまくできれば面接は良い形で進められるはずです。面接官に好印象を与えられる自己紹介の方法についてをお話します。
自己紹介の目的とは?
そもそも自己紹介の目的は、自分の名前と顔を覚えてもらうことです。就職面接だけではなく、インターンやアルバイトの面接などでも必ず自己紹介をする機会はありますよね。
相手により好印象を与えるためには、下記の内容を盛り込んで「最終的に何を伝えたいのか」を考えることがとても重要です。
・大学・学部・学科名
・学校で学んできたことと成果
・学業以外の活動や特技と成果
・企業に対して魅力に感じている点
・「本日はよろしくお願いします」の挨拶
自己紹介の時間の長さはどれくらい?
一般的に、自己紹介の時間として与えられるのは1分間が基本です。企業のなかには「1分30秒」や「2分間」と指定する場合もあります。しかし、実際のところ面接官は、時間よりも話す内容についての方が大切だと考えています。
面接官が応募者に自己紹介をさせる意図とは?
履歴書やエントリーシートを提出していても、面接では必ず自己紹介を求められます。自己紹介によって、応募者の第一印象、コミュニケーション能力を見極めているのです。
どんな人なのかを知りたい
「どんな価値観を持っているのか」「どんな性格なのか」など、あなたがどんな人物なのかを知りたいのです。エントリーシートや履歴書に書かれている情報だけでは、面接に来た人がどんな人物なのかまではわかりませんよね。
簡潔に話せるかどうかを知りたい
自己紹介はいわば、自分を売り込むプレゼンテーションと言っても過言ではありません。採用担当者たちは、あなた以外の応募者との面接スケジュールも続けざまに組んで選考を進めています。
当然それらを比較し、取捨選択するので、1分間という限られた時間のなかで、いかに簡潔に自己紹介をすることができるのかを厳しくチェックしています。
自己紹介と自己PRを混同しない
やってしまいがちなのが、「自己紹介をお願いします」と言われているのに、自己PRをしてしまうパターン。自己紹介が自分を知ってもらうきっかけの挨拶であるのに対し、自己PRは意欲やスキルを存分にアピールすることです。自己紹介と自己PRは、どちらも自分のことについて話すことには変わりありません。
しかし、自己紹介をお願いしたはずなのに、仕事への価値観、意欲、長所などを話した場合、面接官はどう思うでしょうか?面接官に「質問の意図を読み取れない人なのだろうか」とコミュニケーションスキルを疑われ、困惑させてしまうかもしれません。混同しないようにするために、自己紹介と自己PRそれぞれの例文を見てみましょう!
魅力的な自己紹介の例文を紹介
例文1
例文2
自己PRの例文
同学年の選手がすでにAチームで活躍していたことや、これまでのサッカー人生で初の2軍という経験に焦りと悔しさを感じていた私は、Bチームの試合を観戦して自身の課題をノートにすべて書き留め、毎試合後の自己評価を必ずおこなうようにしました。また、上のチームに昇格したいだけの自己中心的な気持ちは捨て、チームの統率力を高めることを自分の役割とすることにマインドチェンジしました。
そして、サッカー部の行動規範である「ひたむき・はつらつ・戦え」を心がけて日々の練習に取り組み、自らの力で困難を乗り越えた結果、チームで得点王となり夏の大会ではAチーム昇格という念願を果たしました。こうした自分の強みを生かして、御社の営業の仕事に貢献したいと考えています」
面接でやりがちなダメな自己紹介の例文
例文1
「私は■■大学○○部△△学科を専攻しています。 私はサークルで会長をやり、協調性があって周りからも信頼される人物です。 普段から、スケジュール管理や計画性を大切にしながら何事にも取り組んでまいりました。
御社に入社できた際には、コミュニケーション能力の向上をモットーに成長に貢献していきたいと思います。 本日はよろしくお願いいたします」
極度の緊張から、名前や挨拶を忘れてしまうことはありがちな失敗です。また、上記のような話し方だと、箇条書きした内容をただ淡々と話しているような印象を与えてしまい、聞いている方は飽きてしまうかもしれません。
例文2
「私は■■大学○○部△△学科の申します。幼い頃から物作りにとても興味があり、家電の開発に高い関心があります。 実際に、カメラやパソコンの新作が出ると店頭にチェックしに行って、新製品がどのように進化しているのかを見たり、製品を比較することが趣味でもあります。
御社では、カメラの設計や開発に携わりたいと思い、応募をしました。 御社に入社できた際にはぜひ、第一線でカメラの設計に関わり、多くのユーザーのために役に立つ新製品の開発に取り組んでいきたいと思います」
後半から自己紹介ではなく、自己PRを絡めた志望動機になってしまっています。全体を通して話にまとまりがなく、結局のところ何を伝えたいのかがわからない内容です。
緊張のあまり、自分で何を話しているのかわからなくなる、ということも多々あるので、結論→理由→理由を意識した話し方を心がけたいものです。
面接官の心に響く自己紹介の方法とは?
自己PRと混同することなく、どのようにすれば面接官の心に響く自己紹介をすることができるのでしょうか?
はじめと終わりの挨拶は忘れない
意外とやってしまいがちなのが、挨拶をすっ飛ばしていきなり大学名から話しはじめてしまうこと。面接に関わらず電話やメールでも、「よろしくお願いします」や「ありがとうございます」という挨拶を一言添えることは基本ですよね。
挨拶がないと、面接官に唐突な印象を与えてしまうほか、歯切れが悪くなってしまいます。緊張のあまりいつもはできていることができなくなってしまう、というケースはありますが、挨拶だけは忘れないように注意しましょう!
1分間で話せる量にまとめておく
面接練習の際、一度メモ用紙などに自己紹介で話す内容について書き出しておきましょう。自己紹介に与えられる時間はおおむね1分〜1分30秒程度です。
ちなみに1分間で話せる文字数の目安は250〜300文字ほど。声に抑揚をつけたり、ハキハキと元気よく話したり、聞いている人が飽きない話し方をするよう工夫するとさらに好印象を持ってもらえますよ。
ただし、企業によっては「30秒」や「2分」と指定される時間は短い場合もあれば長い場合もあります。30秒〜1分間で話せる短いバージョンと、2分間の長いバージョンの両方を用意しておくことをオススメします。
エレベーターピッチの練習
「エレベーターピッチ」という言葉をご存じですか?これは、エレベーターに乗っている15〜30秒という短い時間内にプレゼンテーションをし、ビジネスチャンスをつかむテクニックのことです。
ビジネスでは、上司やクライアントなど忙しい相手に対し、物事を分かりやすくシンプルに伝える必要があります。15〜30秒間で話し切ることができるかどうか、タイマーで計って練習をしてみましょう!
短時間で簡潔に要点を話すスキルが身につくので、就職後の商談や営業、プレゼンなどあらゆるビジネスシーンで役立ちますよ。
企業が求める人物像を理解する
どのような人と一緒に働きたいと考えているのか、どんな人材を求めているのかなど、企業に興味を持ってもらえるようなフックを作っておきましょう。
学生時代に取り組んだ内容とその成果をかいつまんで話すだけで、説得力も増します。「お、なかなか面白い学生だな」と思ってもらえるよう、企業の人物像を絡めた内容を盛り込みましょう。
学生時代に打ち込んだエピソードを話す
サークルや部活、ゼミ、海外ボランティア、短期留学など学生時代にもっとも注力したことを自己紹介に組み込みましょう。
嬉しいことや苦しいこと、悲しいことを経験するなかでどのように乗り越え、何を学んだのかなどを話すだけで面接官のあなたへの興味が一気に高まります。「もっと聞きたい」と思った面接官からきっと、細かい内容について質問してくれるはずです。
ストーリー性を作る
これはすべてにおいて言えることですが、ストーリー性を意識した話し方をするように工夫しましょう。一番伝えたいことの根拠や経緯、時間軸などをうまく組み込んだ、「もっと聞きたい」と思わせる話し方は、今後さまざまなビジネスシーンでも役立ちます。
話にストーリー性をもたせて、聞き手の興味をひく話を組み立てることも、印象に残る自己紹介をするうえで、とても重要なポイントです。
繰り返し練習をする
面接のときだけに限らず、入社後におこなわれる懇親会や親睦会など、自己紹介をおこなう機会はこれからたくさんあります。
スマホのタイマーを使って時間を計りながら、鏡の前に立って練習をしたり、ビデオ撮影をしたりして、自分がどんな表情で話をしているのかを客観的に見て把握しておくと、自分のクセや表情の改善に役立ちますよ。
魅力的な自己紹介で内定につなげよう
自己紹介では、面接官に求められた答えを簡潔に答えることがとても大切です。あなたという人間を覚えてもらうためには、限られた時間の中で簡潔に話をまとめるエレーベーターピッチのテクニックが非常に役立ちます。
面接前は、タイマーで計る、鏡の前に立って話すなどの練習を繰り返して、面接官の興味をひきつける話し方を意識しましょう!