内定者アルバイトってやる意味あるの?メリットとデメリットとは?

事務
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多くの学生が経験している内定者アルバイト

大学生

翌年4月入社が決まっている学生がおこなう内定者アルバイト。経験している学生が多い内定者アルバイトの一番のメリットは、何と言っても他の人たちより一歩先に社会人経験をスタートできることではないでしょうか。

しかし、残された大学生活を楽しめずに春を迎えてしまうことも……。果たして、内定者アルバイトは本当にやるべきなのでしょうか?

そもそも、内定者アルバイトとは?

女子大生

内定者アルバイトとは、内定が決まった学生がその企業に新卒正社員として入社するまでの間アルバイトとして働くことができる制度のこと。内定をもらった人のみが受けることができる制度です。この内定者アルバイトでやることは、先輩社員のお手伝いが中心となります。

(1)書類整理

先輩社員が会議やミーティングで使う資料を人数分コピーしたり、契約書を製本したり、書類整理を頼まれることは多いです。先輩社員は普段、打ち合わせや商談などで席を外していることが多く、書類整理は後回しになりがち。

そんなとき、内定者アルバイトがいてくれると溜めてしまった書類整理もサクッとおこなってもらえるので、仕事の効率アップが見込めるんです。その他、郵便物の投函や多部署への書類を届ける仕事もあるので、バックオフィス業務を経験することができます。

(2)データ入力

ここでおこなうデータ入力でも、社会人としての基礎を学ぶことができます。発注書の作成や顧客情報の入力などは、正確さと丁寧さが求められます。

数字は打ち間違えるとすべての計算がズレてしまい、会社の予算管理にも影響が出てしまいます。地味な作業ではありますが、とても重要な仕事で、誰もが通る道です。ここではタイピングスピードと正確性を高めていきましょう。

内定者アルバイトを勧める企業の意図とは?

考える女性

内定後に企業から届く「入社前にアルバイトしませんか?」というメールや手紙。「お給料をもらえるしラッキー」と思う人もいれば、「入社研修があるのに何で?」と思う人もいるでしょう。一体なぜ、企業は内定者アルバイトを勧めるのでしょうか。

入社前の内定辞退を防ぐ

一番の理由はこれ。内定者アルバイトを通して、業務の流れや進め方に慣れてもらったり、職場の雰囲気を知ってもらえたりします。

これにより内定者は企業で働いている自分をイメージしやすくなるのです。結果的にそれが入社意欲を高めるキッカケとなり、入社前の内定辞退を防ぐことにつながります。

即戦力として働いてほしい

業務内容をまったく知らない人よりも、仕事の進め方が把握できている人の方が戦力になります。内定者アルバイトの期間は長い人だと、半年近くアルバイトとして働くこともあります。

半年も働けば、仕事のサイクルやスピード感が掴めるので、4月を迎えて正社員となったときすぐに効率よく業務を進められるようになるのです。

結局のところ内定者アルバイトはやるべき?

面接

ネットには「先輩社員と仲良くなれるから絶対にやった方がいい」という賛成派、「いやいや、休みづらい雰囲気になるから辞めた方がいい」という反対派の声も上がっていて、意見は賛否両論。でも結論は、内定者アルバイトはやって損はないということです。

一刻も早く社会人経験を積みたいのであればやるべきだし、もし自分の時間を優先したいのであればやらなくてもいい。結局のところはつまり、自分がどうしたいかで決めていい問題ではないでしょうか。

内定者アルバイトやることで得られるメリットとデメリット

考える女性

「早く社会人になりたい」「1日でも早く仕事に慣れたい」と思う人もいれば「自分の好きなときだけ働けたらいいけど……」と悩む人もいるはず。内定者アルバイトをすると具体的にどんなメリット、デメリットがあるのか考えてみました。

メリット

オフィスビル

一足先に社会人の基礎を学べる

まだ内定が決まっていない就活生を横目に、自分だけ一足お先に社会人デビューすることができます。自分よりも社会人経験、人生経験が豊富な大人のなかに混じって働くのはとても刺激的です。

普通は入社してからじゃないとわからない仕事の流れや進め方も、アルバイトをすればある程度把握できるようになります。

入社前から職場に馴染める

業務を通して、先輩社員と距離を縮めていくことができます。アルバイトでも正社員でも、出勤初日というのは緊張するものです。しかし、アルバイトをしていれば、休憩時間に一緒にランチに行ったり、業務を通して仲良くなってプライベートの連絡先を交換したり、職場の人間関係を構築するキッカケにもなるんです。

人間関係は仕事を辞める原因ランキングで常に上位に食い込んでいるので、今のうちから良好な関係を保っておきたいですね。

デメリット

歩く

自分の時間が少なくなる

なんとなく、好きなように休みを取りづらい雰囲気があります。企業のなかには「繁忙期の人員不足を補うため」として内定者アルバイトを実施している場合もあるからです。学生時代のバイトでこんな経験ありませんか?

「ごめん、人が足りないから休日も出勤してほしい」と頼まれたこと。あれと同じで、仕事に慣れれば慣れるほど頼りにされてしまい、出勤を強く求められてなかなか休みが取れないケースは多くあります。

単位不足になる可能性がある

上の結果として、学校の単位が取れなくなるという可能性があります。単位も取れて卒論の提出も終わり、卒業が確定しているのであれば何の心配はいらないでしょう。

ですが、アルバイトにのめり込みすぎて学業がおろそかになってしまうと、いざとなったとき単位が足りなくて卒業できない……なんてことにもなりかねません。内定者アルバイトをはじめる前に、あらかじめ単位が足りているのかどうかをきちんと確認する必要があります。

内定者アルバイトをしてみたけど自分に合わなかったときはどうする?

ブーツ

内定が決まった企業から「入社する前に一度、うちでアルバイトをしてほしい」と言われていざ働いてみたものの、内定を辞退したいと思うことってきっとあるはずです。「ガツガツ体育会系な雰囲気が自分には合わない」「思っていた業務内容と全然違う」など。

合う、合わない、良い、悪いというなんとなくではなく、「入社しても続けられそうにないな」と感じたのであれば、それは素直に打ち明けた方が良いでしょう。

その際、経営方針やらビジョンやらを言い訳にすると言い訳っぽくなってしまうかもしれないので、シンプルに「実際に働いてみたら自分とは合わないと感じました。申し訳ありませんが、内定を辞退させてください」と伝えた方がしっかりと向き合って話ができ、結果的に納得してもらいやすいです。

あと、学業を理由にする人もいますが、それだと「落ち着いたらまた連絡してほしい」と引きとめられてしまう場合があるので解決にはつながりません。

辞退を申し出るときメール?それとも電話?

雪

内定者アルバイト、内定そのものを辞退したい。どちらの場合も、部署の責任者もしくはそれ相応のマネージャークラスの上司に直接対面で伝えるのがベストです。

直接言うのは何となく気が引けてしまいますが、その方が誠意が伝わり後腐れなく終えることができます。ただ、直接話す時間を作ってもらえない場合もあるので、そのときは電話で伝えるのもアリです。

今はメールやLINE、メッセンジャーで気軽に業務のやり取りとする人が多くいますが、他のメッセージに埋もれて気がついてもらえないこともあるかもしれません。

そもそも、辞退という重大なことをサクッと気軽に済ませてしまうこと自体問題です。退職手続きや働いた日数分のお給料についての説明もあるので、必ず直接伝えましょう。

内定辞退を電話で連絡するときの例文

企業:お電話ありがとうございます。◯◯株式会社◯◯部署◯◯がお受けいたします。

あなた:お世話になっております。私、◯◯大学の◯◯と申します。内定の件につきましてご連絡させていただきました。人事担当者の△△さんは、お手すきでいらっしゃいますでしょうか?

企業:はい、少々お待ちくださいませ。

(保留音)

担当者:はい。お電話変わりました◯◯です。

あなた:◯◯大学の◯◯と申しますが、今お時間よろしいでしょうか?

担当者:はい、どうぞ。

あなた:先日の内定者アルバイトでは大変お世話になりました。誠にありがとうございました。

担当者:いえいえ、こちらこそ。

あなた:誠に恐縮ではありますが、内定を辞退させていただきたいと思い、ご連絡いたしました。

担当者:理由をお聞かせ願えますか?

あなた:はい。実際に働いてみたら自分とは合わないと感じ、続けていくのは難しいと思いました。本来であれば直接会ってお話しすべきことですが、お忙しいかと存じますのでこのような形になり誠に申し訳ございません。まずは、取り急ぎお電話でと思いまして、ご連絡いたしました。

担当者:そうですか……。◯◯さんには、ぜひうちで頑張っていただきたかったので非常に残念です。

あなた:誠に申し訳ございません。

担当者:仕方ありません。改めてご来社いただかなくても結構ですよ。これからも頑張ってください。それでは、失礼します。

あなた:お心遣いありがとうございます。本当に申し訳ございません。お忙しいところお時間を頂戴し、ありがとうございます。失礼いたします。

 

内定者アルバイトの辞退で印象は悪くなるのか

ビジネスシーン

内定者アルバイトを辞退する理由は人それぞれにせよ、「もしかしたら内定取り消しになるかもしれない」「やる気がないと思われたかもしれない」と不安になってしまうものです。

しかし、内定者アルバイトを断ったからと言って、内定取り消しになることはほぼありません。もしそれで内定に影響するのであれば、むしろそれはブラック企業かもしれません。企業のなかには、とにかく人手不足の穴埋めをしようとだけ考えている場合もあります。

何も知らずに「はい、頑張ります!」と無理に引き受けてしまっては、毎日残業ばかりで休みをもらえなかったり、過重労働を強制されたりして、心身共に疲れてしまうかもしれません。心にも傷を負ってしまうことになりかねないので、こちらから「週◯日」「◯時〜◯時まで」と提案し、それでも可能かどうか相談しましょう。

自分にとってベストな選択をしよう!

内定者アルバイトをはじめる際は、「週何時間働けるのか」「休みは取ることができるのか」など事前にきちんと確認をしましょう。最初はなかなか慣れずに大変なこともあるかもしれませんが、終わってみるといい経験だったなぁと思えるはずです。