インターンからそのまま就職?採用直結のウワサを検証

内定
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実はインターンを就職選考の場にはしてはならない取り決めがある!?

インターンで就職が決まったということをどこかで耳にしたことのある方をいきなり驚かせてしまうかもしれませんが、そもそもルール上はインターンを就職選考に利用してはいけないことになっています。

日本経済団体連合会(通称:経団連)が発表している「採用選考に関する指針の手引き」にはこう明記されています。

インターンシップは、産学連携による人材育成の観点から、学生の就業体験の機会を提供するものであり、社会貢献活動の一環と位置付けられるものである。したがって、その実施にあたっては、採用選考活動とは一切関係ないことを明確にして行う必要がある。

さらに、その後に続く「就業体験としてのインターンシップの在り方」にはこのように書かれています。

  • 採用選考活動と明確に区別するため、告知・募集のための説明会は開催せず、また、合同説明会等のイベントにも参加しない
  • 募集から実施までを通して、当該活動が就業体験の提供であり、採用選考活動とは無関係である旨の周知徹底を図り、参加する学生から活動の趣旨について書面等での了解を得る

このように、そもそもインターンを採用選考の場にすることは、ルール上いけないことだとされています。

では、インターンが選考に結びつくというのは単なるウワサであり、そんなことは絶対に存在しないのかと言えば、そういうわけではありません。

長期インターン生がそのまま就職するパターンは存在する!

インターンからそのまま就職するケースについてお話をする前に、インターンの種類についてご説明します。
インターンには大きく分けて、「長期インターン」と「短期インターン」があります。

長期インターン 短期インターン
  • 数ヶ月から一年に渡って実施されるインターン
  • 社員と同じように業務を行う
  • 有給であることが多い
  • 数日から一週間で実施されるインターン
  • 企業説明や簡単なワークショップなどを行う
  • 無給であることが多い
  • 長期インターンではスキルや経験が身につき、短期インターンでは企業研究を行えるなど、それぞれの利点があります。

    そして、このうちの「長期インターン」が就職に直結するケースについてご説明します。

    そもそも、先ほどご説明した「インターンは採用選考にしてはならない」という取り決めは、経団連によって決められたものでした。
    ということは、経団連に未加入の企業は、その規則を守らなくて良いということになります。

    そして、経団連に未加入な企業が多いのが、「外資系企業」や「ベンチャー企業」です。

    特にベンチャー企業は長期インターンを積極的に採用しており、インターン生がそのままその企業に就職するというケースが見られます。

    インターンとして採用してから、内定を出すまでのルールはなにか決められたものがあるわけではなく、企業が独自でルールを決めることができます。
    その為、インターン生として働く上でしっかりと実績を残すことができれば、そのまま就職できる可能性が高くなるということです。

    人材を確保する為の採用活動というのは、企業にとっては時間もコストもかかる作業です。
    しかし、すでにインターン生として採用していて、なおかつその実力も把握できている人材の場合、そのまま就職させることは、企業にとっても都合が良いのです。

    短期インターンで内定が出て就職できる場合も!

    就職できる可能性があるのは長期インターンだけかというと、そういうわけでもありません。
    短期インターンでも採用直結型のインターンは存在します。

    ベンチャー企業の場合、長期インターンと同じく短期インターンも選考の場として捉えている企業もあり、サマーインターンなどの結果がそのまま内定につながる可能性もあります。

    また、ベンチャー企業の他にこの傾向が強いのが外資系企業になります。
    外資系企業は、日本以外の外国の資本が多くの割合を占める企業で、その企業風土も日系企業とは異なる場合が多いのが特徴です。
    そして、経団連に未加入の企業も多く、インターンをそのまま採用へとつなげているケースが多く見られます。

    外資系企業の場合、選考の指針となるのが徹底した能力主義である場合が多く、面接などの選考よりも学生の能力を見極めやすいインターンを採用の場とする企業が多いのです。

    またベンチャー企業や外資系企業の他にも、経団連による取り決めはある一方で、実はインターン採用枠を設けている、という企業も存在します。
    ただこれはあくまで非公式でという形なので、どの企業がそのような採用を行っているのかという情報は定かではありません。

    長期インターンは、採用直結ではなくても就職に有利になる!

    長期インターンに参加する場合、例えそれが就職を希望する企業ではなく、なおかつその企業もインターン生の採用を行っていないとしても、就職活動で有利になる可能性があります。

    まず、長期インターンに参加することで、スキルや経験を得ることができます。
    これは、同じような職種や業界への就職活動を行う場合、面接などでアピールできる強みになります。

    また、仮に希望する業界以外での長期インターンでも、最低限のビジネスマナーを身につけることができ、それが面接やグループディスカッションなどの選考の場で役立つことも多いでしょう。

    また、一度企業で社員に混じって仕事を行うことで、将来自分はどのような企業で、どのように働きたいのかという視点を得ることができます。
    この視点を持っていることで、就職活動をどのように進めていけばいいかという指針を得ることができるでしょう。