金融業界の長期インターンについてまとめてみた

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金融業界大手にインターンは存在しない

金融業界での長期インターンの解説の前に、まずそもそも金融業界とはどのような業界なのかを抑えておきましょう。

金融とは、お金を融通するという言葉が省略されたもので、お金を流通させることで利益を得る仕組みです。経済の血液とも呼ばれるお金を、借りたり貸したりといったようにお金を動かしているのが金融業界なのです。

そう聞くと、多くの方々は銀行の機能を思い浮かべると思います。もちろん銀行も金融業界の業態の一つなのですが、ではそもそも銀行とはどんなことをしているのでしょうか。そして、銀行の他にはどのような業態があるのでしょうか。

金融業界の代表、銀行での長期インターンはまずない

銀行の主な機能は、

  • お金を預かる、貸し出すこと
  • 為替という仕組みを運用すること

です。

お金を預かって安全な場所で保管し、その預かったお金を預けた当人が引き出すまでは個人や法人に融資することで経済を回していきます。

為替というのはどういう機能かと言いますと、直接現金をやりとりするのではなく、銀行を介してお金のやりとりができる仕組みです。簡単に言えば「振込」を思い浮かべてもらえれば良いと思います。直接お金を引き出して現金で相手に渡さなくても、お金のやりとりができるのです。そして銀行はその振込などにかかる手数料で利益を得ています。

銀行でのインターン一般的に短期インターンの募集のみで、長期インターンは募集していません

ここまで紹介したような業務を行っている銀行において一番重要になってくるのが信用です。
銀行だけでなく、金融業界ではお金を動かして商売をしているので信用が一番大切です。顧客の大事なお金を取り扱う上で、ミスをすることは許されませんよね。よって学生インターンに業務を任せるのは難しいのです。

非営利の銀行、信用金庫でも長期インターンの募集はなし

信用金庫とは、カンタンに言うと地域に根ざした銀行です。ほぼ機能は銀行と変わらないのですが、その理念が営利目的ではなく非営利であり、地域などの発展を第一目的としています。銀行と同じような機能の他に、保険の販売といった業務も行います。

こちらも銀行同様、短期インターンの募集のみで長期インターンは募集していません。

金融の就職人気業態、証券会社でも長期インターンはなし

証券とは証拠を表した券のことで、その紙に記されている権利や財産を有することを証明するものです。最も一般的な証券は、株式を有する事を証明する株券で、その株券の売買を主な生業にしているのが証券会社です。株式を売りたいという人と買いたいという人の仲立ちをして利益を得ているのが証券会社なのです。

証券会社でも長期インターンの募集はほぼありません。

消費者金融やクレカといったノンバンクでも長期インターンはなし

ノンバンクとはその名の通り、銀行以外の金融機関のことで、例えば消費者金融や、クレジットカード会社などを指します。
消費者金融ではお金を個人に融資し、クレジットカードではお金の支払いをクレジットという仕組みで代行するといったお金に関する業務を行います。
銀行とは、機能やその活動の根拠となる法律面から異なる業態です。

ノンバンクは、どこまでをノンバンクとするかによりますが、いわゆる消費者金融やクレジットカード会社などでは長期インターンの募集はあまりありません。

金融業界で就職人気の高い保険業界も短期インターンのみ

保険とは、保険料を支払う代わりに、なにか有事の事態に陥った場合にその事態に見合ったお金を受け取る仕組みを言います。「相互扶助の精神」から生まれた仕組みで、大勢の人からお金を集めて、不幸な状態に陥ってしまった人をお金によって救済するという仕組みです。

一見、これは金融業界なのかな? と思ってしまう業態ですが、お金を流通させるという意味では金融業界の中の一つの業態と言う事ができるのです。

保険業界も有名どころでは長期インターンの募集はしていません。

ベンチャー注目! FinTech(フィンテック)は長期有給インターンも

ここまでご紹介してきた業態のほとんどが、長期インターンをほぼ募集をしていませんでした。金融業界で長期有給インターンを全く募集していないのかというと、そんなことはありません。金融を扱っている一部のベンチャー企業では、学生の長期インターン生を募集しており、そのキーワードとなるのがFinTech(フィンテック)です。

FinTech(フィンテック)とは、Finance(金融)とTechnology(技術)を掛け合わせた単語です。最近、銀行の決済などがインターネット上で済む便利な世の中になりました。また、インターネット上のクラウドで会計を行うクラウド会計ソフトも今や一般的なものになりました。

このように、インターネット上で金融に関する作業を行う技術をFinTechと呼ぶのです。FinTechは金融の一分野として急成長を続けており、ベンチャー企業も多数存在します

ITを用いたビジネスということもあり、FinTechを用いたベンチャー企業も多く存在します。そういったベンチャー企業はインターンを募集していることがあるので、金融業界でインターンしてみたいという方は大手にこだわらずにFinTechを用いたベンチャーでインターンしていてはいかがでしょうか。

金融業界の長期有給インターン内容を紹介!

金融と言われたときに真っ先にイメージするような銀行や証券会社では、長期インターンは募集されていないのです。それでは、金融業界の企業でバイトのように働ける長期有給インターンをしたらどのような内容になるのでしょうか。

銀行、信用金庫、証券会社、ノンバンク、保険といった金融業界を代表する業態の会社では長期インターンを募集してないとしましたが、一部まだまだ世間に名の知れない小さい会社やベンチャー企業では長期インターン生を受け入れています。業務内容は実に様々で、業態や企業によって大きく異なります。

金融系ソフト開発のベンチャー企業でエンジニアインターン

FinTech関連の企業では、実際にシステムを作るエンジニアやプログラマー、デザイナーなど、多くの職種で募集を行っています。金融に関するWEBサービスやシステムを作っている会社は、たしかに金融業界の会社とも言えますが、どちらかとIT企業としての色合いが強いと思います。IT業界の企業だが、扱っている案件が金融関係というイメージです。

業務内容としてもIT企業の仕事としてイメージされる業務内容です。エンジニアの求人だと、プログラミングが業務内容になります。得られるスキルも職種によって違いはありますが、金融業界全般の知識を得ることができるのは間違いないでしょう

金融関係のWEBサイト作成会社でライターインターン

こちらも金融業界というよりも、IT企業でのインターンといった方が分かりやすいと思います。
例えば証券会社の場合、少数ですが投資家と投資先をマッチングさせるポータルサイトの立ち上げや運営に携わるといった業務内容のインターンがあります。また、投資家向けの企業情報のライティング、校正などを行ったりといった業務もあります。

こうした長期インターンに参加することで、証券会社に関する基礎的な知識の他に、サイト運営などのwebの知識を得ることができます。ライティングを行う際はライティングのスキルも身に付くでしょう。

保険の営業代理店で営業内容の学生インターン

数は多くないのですが、営業代理店の中小企業では保険関連の案件を扱っている会社もあります。営業代理店とは、他の会社の商品を代わりに売って一部の利益を得るといった営業職を専門にしている企業のことです。金融商品をお客様に営業で売るという意味では、最も学生がイメージする金融業界での働き方に近いのではないでしょうか

業務内容としては、当然営業です。テレアポなのか飛び込み営業なのか、手法はインターン先の企業により様々だと思いますが、営業がやりたくない、服装はスーツではなく私服で働きたいという学生には向いていないかもしれません。

会計士を目指す学生におすすめ。税理士法人でアシスタントインターン

会計士、税理士も金融関係の企業といえるかもしれません。いわゆる税理士法人には個人+数人といった少人数で経営しているところも少なくなく、そのような中小企業では学生インターンを募集しています。金融関係のインターンを探すと多く目に付くのではないでしょうか。

業務内容としては会計士のアシスタントが多いようです。資料作成やリサーチなどでしょうか。将来公認会計士などを目指して勉強中の学生には、社会勉強をする良いインターンかもしれません。金融の知識、というより会計の知識も付くので経済学部や商学部に所属していてなんとなく簿記などに興味がある、勉強に目的がなくて打ち込めないなんて学生にはオススメできる金融業界の長期インターンシップです

就職に役立つ他業種での長期インターンがおすすめ

今も昔も金融業界というのは、就職で人気の業界です。給料が良い、安定している、ドラマの影響で憧れている等など……金融業界へ就職したいという理由は様々だと思います。ではそんな金融業界に就職するために、学生は長期有給インターンするべきなのでしょうか。

有名金融業界のインターンといえばやはり短期インターンに

何度も繰り返しになりますが、まずそもそも金融業界の企業が長期インターン(いわゆるバイトのように働ける学生インターン)を募集しているのかというと、銀行などは募集をしていません。多くの金融業界の企業は、短期インターンのみの募集であることがほとんどです。他の業態でも、特に大手は短期インターンのみを募集している場合がほとんどです

サマーインターンウィンターインターンのような短期インターンの多くは、一日や一週間程のインターンであることが多く、その多くが就活に向けた新卒学生への企業PRの一環として行われています。

そういった状況の中で、もし志望する業態の企業が長期インターンを募集しているなら参加することに越したことはないでしょう。就活のときには、志望動機やアピールのネタになるのは間違いないですインターンでの経験がダイレクトに就活に役に立つのです

金融業界とはいえ、そのビジネスモデルや業務内容は様々です。例えば長期インターンの募集をしていない銀行への就職を希望するあなたが、金融業界の中で他の業態のインターンへ参加しても、あまり銀行への就職という意味では“直接的”なアピールポイントにはなりにくいでしょう。

もちろん銀行以外でも社会で働いくといった長期インターンを通じて得られる成長や経験は、就活に繋がることはありますよ。

他業種のインターンも検討しよう

そこで就活を控えた、就活に不安な学生で、長期インターンを募集していない業態への就職を志望している学生の方へおすすめなのが、職種で長期インターンを探すことです。

例えば志望する職種が営業なのであれば、営業インターンを募集している企業は他業界であればたくさん存在します。

それらの、他業界のインターンに参加してみるのも一つの手なのではないでしょうか

他業界でも、職種が同じインターンを経験したということは、金融業界への就職活動をする際に有利に働くことがありますので、是非検討してみてください。