コミュ障のことはコミュ障に聞け!会話に自信がない人が就活を成功させる秘策とは

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コミュ障だから就活が不安……。

悩む男性

「僕(私)はコミュ障だから就活が不安……」「自分の気持ちをうまく伝える自信がない」と、コミュ力のなさを不安に感じている就活生は多いのではないでしょうか。確かに、どこの企業もコミュニケーション能力があるかどうかを重要視しているので、コミュ障にとって面接は最大の難関といっても過言ではありません。

だとしたら、コミュ障が内定をもらうのは難しいのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。では、どのようにしたら内定を獲得できるのか、コミュ障がコミュ障のために、就活を成功させるコツをお教えします。

コミュ障を悟られると就活は厳しいの?

考える女性

コミュ障が就活を成功させる秘訣についてお話をする前に、そもそもコミュ障とは一体何なのかをおさらいしましょう。そもそもコミュ障と「コミュニケーション障害」という言葉の略で、他の人との他愛もない会話や雑談が苦手だったり、人と目を合わせて話をすることができない人のことを指します。

コミュ障と聞くと、人が多い場所が苦手、自分から話しかけられない、自分の考えや思いをうまく伝えられないなど、引っ込み思案な人を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし、コミュ障と一口に言ってもタイプはさまざまで、人と話すことは好きだけど自分から意見するのが苦手だったり、1対1なら大丈夫だけど人前で話すのが苦手だったり、度合いも人によって違うもの。

そうしたタイプは違えど、多くの企業では新卒採用の際に「コミュニケーション能力」の高さを求める傾向にあるため、面接官にコミュ障だと悟られない努力が必要です。

就活でコミュ障がぶち当たる壁とは?

悩む女性

コミュ障の人たちには共通のある特徴があります。コミュ障の人は具体的に就活の際、どんな場面でコミュ力のなさを感じるのでしょうか。

自分からアピールできない

1番辛いのは何といってもこれです。面接で自分の長所や強みをうまくアピールできなかったり、自分の意見をうまく伝えられなかったりします。面接官は、履歴書やエントリーシートに書かれた内容をもとに質問を投げかけ、候補者がそれに答える。

これにより言葉のキャッチボールが生まれ、話が膨らむもの。しかし、人と話し慣れていないコミュ障の人の場合、自分を売り込みながら返答することがなかなかできないのです。

アンサーファーストができていない

コミュ障の人はたいがい回りくどい言い方になりがち。あれもこれも言おうとして、アンサーファーストができない。ちなみにアンサーファーストとは、その名の通り答えを先に言うこと。志望動機や自分の長所について答えるとき「それは◯◯です。なぜなら〜……」という具合に結論→理由で問いかけに答えるということを毎日強く意識しましょう。

なぜなら、先に答えを言ってしまうことで聞き手にストレスを与えることなく、最後まで興味を持って話を聞いてもらえるからです。このアンサーファーストは、就職後のプレゼンなどでもその知見が活きてきますよ。

答え方が「セリフ」になっている

面接官に気に入られたくて、「いいことを言おう」「それっぽいことを言おう」と思ってしまうのが人間。しかし、書いてあることをそのまま暗記したような模範解答はあくまでセリフであって、あなたの言葉ではありません。

心がこもっていないメッセージになるばかりか、「どうしてもここで働きたい!」という意欲が伝わりづらくなってしまいます。また、緊張でセリフが飛んでしまうことはよくあるので、事前の丸暗記はいざというときにどもったり言い間違えたりするミスを引き起こす原因にもなるので、想いは自分の言葉で伝える努力をしましょう!

面接官の目を見て話せない

コミュ障に悩む人のなかには、人と話すときにまっすぐに相手の目を見て話すことができない、目が合うと心を見透かされているようで怖い、などと感じてしまう人もいます。そのため、伏し目がちだったり、キョロキョロとよそ見をしたりして、面接官の目を見て話をすることができないのです。

いくら根は素直で真面目な人でも、「集中力がない」「注意散漫で真剣味が感じられない」と勘違いされてはあまりにも勿体ないです。目を直接見ることはできなくても、面接官の鼻の頭辺りを見るようにすれば、相手からは目が合っているように感じるそうですよ。

コミュ障が内定獲得にこぎつけるためには?

登山

緊張してしまってうまく気持ちを伝えられない、というのは誰にでもあるもの。自分をうまくアピールできない、人の目を見てうまく話をすることができないなど不安を抱えているコミュ障の人が内定を勝ち取るコツをご紹介します。

伝えたい内容を紙に書き出す

自分のアピールポイントを箇条書きで紙に書き出してみる、という方法です。自分の強みや学生時代にもっとも力を注いだこと、これだけは他の人に負けないと思うことなど、なんでもいいので思いつくままに紙に箇条書きにしてみましょう。とりあえず考えを文字にすることで頭の中が整理されます。これはコミュ障の人に限らず、あがり症な人にも有効な方法です。

擬似面接を繰り返しおこなう

なんと言っても1番効果的なのは、本番さながらの面接練習をひたすら繰り返すこと。コミュ障の人の多くは、「人前で話す」ということに強い苦手意識を感じている傾向にあります。その弱点を克服するためにも、「話す」ということにとにかく慣れるようにするのが重要です。

大学の教授やキャリアアドバイザー、友人、家族などに面接練習をお願いしてみましょう。してこうして擬似面接を何度も繰り返すうちに、人前で話すことへの抵抗も少なくなっていきます。

見た目に気を配る

面接練習を繰り返しても「やっぱり人前でうまく話せない」という人も中にはいるはずです。そんなときは、第一印象で勝負してみましょう。第一印象は9割近くが見た目で決まると言われています。

髪型、爪の長さ、メイク、服装、持ち物など、身なりに気を配ることでコミュ障をカバーすることができるかもしれません。「清潔」「真面目」「誠実」などプラスの印象を与えることができれば、面接もきっとすんなりパスできるはず。

伝えたいことは履歴書にすべて書く

自分のアピールポイントを履歴書やエントリーシートにすべて書いてしまう、というのも効果的です。「海外留学に参加して世界遺産の◯◯の修復活動をおこなった」「学生時代は◯◯部のリーダーを務めて全国大会で優勝した」など、自分の功績やアピールポイントをできるだけ具体的に書いておきましょう。

そうすると、「どうして海外ボランティアに参加したの?」と面接官に興味を持ってもらえます。会話のキッカケになりそうな事柄を書いておいて、面接官からの質問を誘発するのもアリなのではないでしょうか。

面接ではなく発表会だと考える

多くのコミュ障の人が内定を勝ち取っている方法がこれです。面接=発表会、受け答え=台本のセリフと考え、ストーリーに沿って準備した質問内容に対して、答えを結論→理由の順番で話すというもの。

「面接」と思うと肩に力が入ってしまいますが、自分が舞台の主演だと思って役になり切ることで意外とスラスラ話せるというのは案外あります。事実、この方法によって面接を通過し、就活に成功したという人はたくさんいるんですよ。

OB・OG訪問で社会人と交流する機会を増やす

大学の先輩が実際に働いている企業を訪問するOB・OG訪問で、「ビジネスコミュニケーション」を練習してみるという方法。職場の雰囲気や仕事の内容、実際に働いてみての本音や仕事との向き合い方など、現場で働く人と話すことである程度、面接への心構えができます。

また、就職活動経験者の先輩からのリアルな話は何かのヒントにもなるのです。場慣れできるといった面においても、OB・OG訪問は一度は経験しておいて損はないはず。

コミュ障に聞いた!面接官に自分をうまくアピールする方法はこれ!

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それではここからは、自称コミュ障の西山直希(にしやま・なおき)さんにお話を伺っていきます。現在、人事のお仕事もされているという西山さん。コミュ障でも、面接で自分を売り込む方法や内定を勝ち取るコツについていろいろと教えてくださいました。

本日はよろしくお願いいたします。

コミュ障でも内定を勝ち取れたコツについてのお話ですよね?そうですね……。過去に僕がしくじった失敗談からでもいいですか?

はい、ぜひお願いします!

僕が過去にやってしまった失敗は、会社のことをきちんと調べずに面接に行ってしまったことです。

それは、コミュ障関係なく、ほとんどの就活生にありがちな失敗なのではないでしょうか?

そうですね。でも、僕に限らずコミュ障の人って、会話の流れから志望動機や自己PRにつなげていったり、自分の意見を伝えたりするのがうまくできないケースが多いんですよね。場慣れしている人なら臨機応変に受け答えできますけど、人前で話し慣れていないコミュ障にとってそれはかなりハードルが高い。
だから、どんな会社なのかを事前に知らないとますます、「自分が会社にとってこういう人材になりたい」「こういうスキルを学んで貢献したい」などについて話せず、自分をうまくアピールできずに面接が終わってしまうんです。

コミュ障の人こそ事前にきちんと準備をして引き出しをたくさん持っていないと、場面での対応というのはなかなか厳しいものがあると。

そうです。それで僕は失敗しました。

ではどうやって内定までこぎつけたんですか?

提出する履歴書に、伝えたいことを全部書きました。実は僕、在学中海外のボランティア活動に参加したことがあって。フィリピンでマングローブの木を植えたことがあるんですよ。学生時代の活動について「マングローブの木を植えた」って書いておくと、面接官から「え、マングローブの木を植えたの?これまたなんで??」と興味津々に質問してくれるんです。

ある程度エサを撒いておく、ということですか。

そうです!(笑)一口にコミュ障って言っても、タイプがあると思うんです。僕の場合は、人と話すことは好きだけど自分からは発信できない。だから、アピールしたいことは履歴書に全部書いて、向こうから質問をしてくれるのを待つ。ただ書けばいいわけじゃなくて、「これは面接官が食い付くだろうな」というネタを散りばめるのがポイントです。

ということは、自分がどんなタイプのコミュ障なのかを理解しておかないといけないですね。

はい。評価されるのが怖いから予防線を張る人、1対1だと話せるけど大勢の場だと話せない人など、それぞれタイプが違うと思うので、「自分のコミュ障タイプに合わせて対策を考える」というのが内定獲得の勝ち筋だと思いますね。

西山さんにとっての勝ち筋は、履歴書にネタを仕込んでおく、という方法だったんですね。

そうなります。でも、そういう仕込みも大切ですけど、やっぱり「自分が会社でどうなりたいか」っていう意欲が1番重要だと思います。僕も今採用に関わっていて、採用したらどの部署に配属するかとかを考えて面接をするので、その人は唯一無二の存在じゃないといけない。「御社で◯◯の仕事をしたいから、そのためにこういう大学生活をしてきました」っていう一貫性をアピールできたら内定は取れると思いますよ。

コミュ障云々ではなく、「就職=ゴール」だと考えず、その先を見据えた発言を意識することが大切なんですね。本日は貴重なお話、ありがとうございました!

 

コミュ障だからと諦めずに対策を練ろう!

登頂

コミュ障だからといって面接に失敗してしまう、就職できない、なんてそんなことはありません。人と話すのが苦手なコミュ障の就活は厳しい、なかなか面接に受からないなどと言われがちですが、このように自分自身の努力次第でいくらでも乗り越えられるのです。

人と話す機会を増やすことはもちろんですが、まずは自分がコミュ障であることを受け入れ、足りないものはなんだろう、と一度自分自身を俯瞰して見るのも必要なことなのかもしれません。

まずは無理に話そうとせずに、身近な友達に挨拶をしてみたり、先生と話をしてみたりして慣らしながら、内定を勝ち取りましょう!