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卒論のテーマが決まらない……!
大学生活において、1番の難関とも言えるのが卒業論文。無事、就職の内定はもらえたものの卒論だけが間に合わずに留年……なんてことになったら、すべてが水の泡になってしまうかもしれません。
「卒論のテーマが決まらない」「そもそも、卒論のテーマってどうやって見つければいいのかわからない」などと悩みを抱えている学生が多いのではないでしょうか?そこで今回は、卒論のテーマを選ぶ方法や卒論を書くときのポイントについてお話しします。
卒論のテーマを決める時期はいつ?
卒論とは、最終学年の大学生が「卒業研究の成果として提出する論文」のこと。一般的には約1年がかりで、テーマ決めから情報収集、執筆、添削、発表をおこないます。
卒論を期限までに提出できなかったり、教授から合格をもらえなかったりすると卒業できなくなる可能性も……。そうなったらもう就活どころの騒ぎではなくなってしまいます。余裕を持って大学3年生の1月には卒論の構成を練っておき、翌2月から取り掛かるのがベストです。
提出期限より早く書き終えた場合、その分添削にじっくり時間をかけて内容を見直しする時間を作れるので、よりクオリティの高いものを作ることができます。
卒論のテーマが決まらないのはなぜ?
大学を卒業するための最後の試練である卒論。テーマが決まらなければ、書きようがありません。普段生活をするなかで「なぜなんだろう?」「どうしてなんだろう?」と常に疑問を持つようにすると、テーマを見つけやすくなります。
ただ、自分が全く興味を持てない分野に課題を設定してしまうと、執筆スピードが下がるほか、論文そのもののクオリティの低下につながってしまことも。
卒論テーマを見つける6つの方法
多くの学生が足踏みをしてしまう、卒論テーマの見つけ方についてお教えします。意外と自分の身近にヒントが転がっているものですよ。
自分の興味・関心のある事柄
何と言っても1番は、自分がもっとも興味を持てる分野をテーマに設定すること。音楽、映画、恋愛、旅行などまず大きなテーマを決めてから細かく分解していきます。
具体的には、恋愛であれば「大学生カップルに1番人気のデートコースはどこか」や「どうして人は異性に魅かれるのか?」など、調査が可能なものをいくつか書き出してみましょう。
ノートや教科書を見直す
講義やセミナーのときに使っていたノートや教科書を読み返す、というのも意外とテーマ決めのヒントになります。講義の際に教員が何気なく言った言葉をメモしてあったり、マーカーを引いてあったりする部分などは卒論のテーマになる可能性があります。
図書館や本屋で本を読み漁る
大学の図書館や本屋に行って、本を読み漁るというややストイックな方法です。気になった本の目次を見て、興味が持てそうであれば読んでみる、ということを繰り返してみてください。自分が専攻していないジャンルに興味を持てることは意外とあるので、テーマ決めに役立ちますよ。
「CiNii」を活用する
「CiNii(サイニィ)」とは、論文、図書・雑誌などの学術情報を検索できるデータベースサービス。定額サービスを契約している大学もあり、学内であれば誰でも利用することができるので、ネットを使って簡単に卒論のテーマを探すことができます。また、「CiNii Articles(サイニーアーティクルス)」では、利用登録なしで論文検索をできるので、オススメです。
教員に相談する
上でお話した手順を踏んでも、どうしても卒論テーマが決まらない場合は、思い切って教員に相談をしてみましょう。「◯◯について書いて見たら?」とテーマを提供してくれる人もいれば「自分の課題は自分で見つけなさい」と厳しい対応をする人もいます。
教員に完全に寄りかかるのではなく、「◯◯と◯◯、2つのテーマで迷っているのですが……」と提案の形の方が快く相談に乗ってくれるはずです。
時事ネタにスポットを当てる
卒論テーマにできることは日常に転がっています。テレビ番組やネットニュース、新聞などをこまめにチェックして、話題性のあるものにスポットを当てるというのもアリです。
ここで注意したいのが、記事そのものをテーマに取り上げるのではなくその内容をさらに深掘りしてみる、ということ。「これについて調べたら面白いのでは?」「これはなぜこうなんだろう?」と突き詰めて考えることで、あなただけにしか書けない論文になります。
卒論を書くときのポイント
大きなテーマが決まったら今度は、実際に卒論の執筆に取り掛かりましょう。
「考える」ということを「考える」
なぜそのテーマにしたのか、何のためにそれを書くのかについて考えることを「考える」というのがとても大切です。どういうことなのかと言うと、自分の心や頭の中にある疑問を一度整理し、それに対して自分なりの解答を出すということです。
具体的には、似ているものと比較してどうだろうか、課題の目的に合致しているのだろうか、そもそもこれは必要なことなのだろうかなど、考える力があれば自ずと問題解決の糸口が見つかります。着地点がわかっていれば、起承転結のある滑らかな卒論を書けるようになるのです。
同じ内容の論文がないか確認する
決めた論文テーマと似た内容のものがないか、一度確認をしましょう。せっかく一生懸命かいた論文が実は、すでに書かれていた内容だった、となった場合はオリジナルではなくなってしまうからです。
一度、テーマに至った背景を整理する
テーマが決まったら、そのテーマに至った動機や背景を振り返りましょう。たとえば、「世の中にはこういう問題点があるから」「自分が◯◯するとき、◯◯だったらどうだろうと気になった」「◯◯にはこういう可能性も考えられるから」など。
人が何か新しいことに取り組むとき、そこには必ず理由が存在します。何でも構わないので、テーマの背景を一度整理しておきましょう。
問題を提示する
取り上げた問題に対して、あなたがどのような手段で、 どのようにして問題を解決していくのか端的に説明します。これにより、論文全体にリズム感が生まれてより読みやすい文章になります。
ちなみに、図や表などを使うと内容を視覚的に表現することができるので、自分の頭の中も整理しやすくなりますよ。
問題に対してのアプローチ方法
問題を解決するためのアプローチ方法について、客観的な評価や考察も入れましょう。自分と似た内容の研究と比べてみて、どのような違いがあるのか、具体的な解決方法などについても予めまとめておきましょう。
また、プラスな面だけではなく、調べていくなかで新たに気づいた問題点にも触れると、より信憑性のある卒論に仕上がります。さらになぜ新たな疑問や問題が生まれたのか、解決するためには一体どうすれば良いかなども一緒にまとめておくとなお良しです。
卒論が完成したら必ず添削してもらおう
卒論を書き上げたらそこで終わりではありません。もっとも重要とも言えるのが、添削です。添削に1ヶ月以上もの時間を費やす人もいて、そこまでやる必要あるの?と思うかもしれませんが、この添削こそが本番と言ってもいいほど。
どれだけ一生懸命書いたものでも、読み返してみると「話が趣旨から逸れている……」「リズムが悪くて読みづらい」という箇所があとから結構出てくるものです。教授や先生をつかまえて添削の依頼をしたり、添削サービスを使ったりして、ブラッシュアップしていきましょう。
卒論代行がバレたらどうなる?
卒論代行といって、業者が代わりに卒論を書いてくれるサービスというのも実はあります。しかし、卒論の提出が間に合わないからと言って卒論代行を利用するのだけは、絶対にやめましょう。
研究室の教授は、学生の性格や文章力について、事前によく理解しているので、簡単にバレてしまいます。もしバレてしまうと、最悪の場合は卒論が無効になり留年、もしくは休学処分になる可能性があるようです。大学や教授の方針によって処分はさまざまですが、厳重注意されることは間違いありません。
卒論の提出期限を逆算し、それに間に合うように自分できちんとスケジュールを立てながら進めましょう。
卒論は就職後にどう役立つ?
多くの学生が苦戦を強いられる卒論は、社会に出たあとにとても役に立ちます。たとえば、上司から「これちょっとやっておいてー」とふわっと仕事を依頼されたとき。自分でテーマを決めて問題提起しながら、解決のためのアプローチ方法を考えることができます。
もちろん、わからない部分については上司への確認が必要になりますが、ある程度自分で意思決定をしながら自分の力で仕事を進められるようになるのです。成長スピードが高いスタートアップやベンチャー企業に就職した場合は特に、こうした自走力のある人材が即戦力となります。
卒論を書くことは自分自身の成長につながる
卒論は、大学生活を締めくくるうえで、決して避けて通ることはできません。なんとか書き上げたけれども添削が間に合わず、提出できなくて留年……。なんてことにならないように、大学3年生の1月頃から余裕を持ってはじめましょう。
テーマ決めや構成に頭を抱えることも有るかもしれません。しかし、そのときの苦労はきっと、社会に出てからあなたの強みとなり糧になるはずです。
【編集:岡冨 りさ】