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履歴書の証明写真の重要性
近年、スマホアプリやスピード写真の性能が上がり、写真館に行かなくても気軽に証明写真を撮影できるようになりました。
実は、履歴書の証明写真には撮り方、表情、服装、髪型、貼り方などいくつもの細かいルールがあります。
企業の採用担当者たちは、最初に履歴書の写真を見てあなたという人物がどういう人なのかある程度判断をします。
良くも悪くも、第一印象はそう簡単には変わらないと言われているため、撮り方、写り方、顔色、表情は気をつけなければなりません。
知っているようで知らない証明写真のルールについてお教えします。
履歴書の写真で採用をためらう場合がある?
採用担当の全員がそうだとは断言できませんが、表情がどんよりしていたり、人相が悪かったり、解像度が悪い写真を履歴書に使用していた場合、採用をためらう人も中にはいるのだと言います。
その理由は、「こんないい加減な写真を使うなんて、仕事の完成度も低いに違いない」と思われかねないからです。
今後の人生を左右するであろう就活において、履歴書の写真を適当に撮るのだけは絶対にやめましょう。
履歴書写真の3つのルール
当たり前のことかもしれませんが、まずは履歴書の証明写真の基本をおさらい。それでは、これから説明する3つのポイントをきちんと頭に入れてから撮影に挑みましょう。
サイズ
一般的に履歴書に指定されている写真のサイズは、縦4cm、横3cmの縦長の長方形。これは基本中の基本です。
また、撮影した写真が指定されたサイズと合わない場合もあります。枠よりも写真が小さい場合は撮り直しましょう。反対に大きすぎる場合は、枠におさまるサイズに丁寧にカットしてから使ってください。詳しい内容は、後ほどお話します。
使用可能な時期
最低3カ月以内に撮影した「無帽・目線有り」の写真を使いましょう。よく応募書類を提出する際、注意書きの欄に「3カ月以内に撮影した写真」と書かれています。これは、応募者と書類提出者が一致しているのかどうかを判断するため。
もしも、体形が変わっていたり、ヘアスタイルが変わっているのであれば、撮り直しが必要です。
当たり前ですが、帽子やサングラスの着用はNG。ただし、普段からメガネをかけているのであればOKです。
背景カラー
背景は、オーソドックスなブルーまたはグレーを選択するのが無難。
ブルーは顔のくすみやクマを飛ばす美肌効果が期待できるため、表情を明るく見せてくれます。表情を引き締めてくれるライトグレーの背景であれば、マイナスな印象を与えることはまずありません。
白は清潔感がありますが、ワイシャツやブラウスと同化してしまうため避けた方がいいでしょう。
写真館とスピード写真どちらがいいの?
結論から言うと、写真館がベストです。スピード写真の場合、バイトや学校の帰りにサクッと短時間で撮影できるという魅力があります。その反面、解像度が低く取り直しの回数が限られている、というデメリットも。
一方で写真館であれば、プロのカメラマンが撮影してくれるため、クオリティが高い写真に仕上がります。
それなりに時間やコストはかかりますが、顔色や肌荒れ、ホクロなどの修正作業(レタッチ)も行ってくれるから、ちゃんとした写真を提出できるのです。また、データとして保管でき、3カ月以内であれば撮り直す必要がなく繰り返し使用可能。
ただし、レタッチに関しては別途料金がかかる場合があるため、事前に電話で確認しておくといいでしょう。
好印象を与える表情と撮り方は?
写真を撮るときにもっとも気をつけなければならないのが、表情。
真顔だと口角が下がって暗い印象になってしまいます。反対に歯が出ていると「頭の回転が悪そうだ」と思われてしまうことも。
では、好印象を与える表情とは一体?まずは、下記の3つのポイントをおさえておきましょう。
目は月目
月目とは、三日月を横にしたような目の形のこと。好印象を与える表情として、ネット上では「いい笑顔」と称されさまざまなトレーニング方法が紹介されているほどです。
目をぱっちり開けるのではなく、目尻を下げるイメージで自然な表情で撮影しましょう。
撮影する前に鏡を見ながらトレーニングするとなお良し。この月目は、相手に好感を持ってもらえるため、商談の成功率も上がるでしょう。
口角を上げる
口角を上げましょう。前向き、フレッシュ感、明るい、はつらつとしたイメージを持ってもらうためにも、口角を意識するのはとても重要なポイントです。
ただし、歯は見えないように注意しましょう。歯が見えてもOKなのは、テレビ業界や航空業界などのごく一部。そのほかの業界では、マイナスになることがあるようです。
目線はまっすぐ前を見る
目線はまっすぐに前を見ましょう。あごを上げすぎると相手を見下した印象になり、上目遣いだとふざけている、にらんでいると思われかねません。
目線はまっすぐ前を見て、黒目がきちんと見える自然な状態で撮影しましょう。
表情のほかに気をつけたい4つのポイント
表情のほかに、気をつけるべきポイントが4つあります。写真撮影の前は、鏡で上半身をチェックしましょう。
ネクタイや襟元のよれやしわ
ネクタイが緩んでいたり、ワイシャツの襟元がヨレヨレ、シワシワだとだらしのない印象を与えてしまいます。
ワイシャツは第1ボタンまできちんととめ、ネクタイはきっちり締めてタイピンで固定しましょう。
前髪の長さ
男性と女性ともに、前髪が目にかかっていると暗い人だと思われてしまいます。また、就活でもっとも大切な清潔感、誠実さ、真面目な印象からは遠のいてしまうでしょう。
男性の場合は短くカットする、女性の場合は黒いヘアピンでとめる、流す、分けるなどして、おでこを出しましょう。
背筋
もしあなたが座高の高さに悩んでいたとしても、それは写真には影響しないので問題ありません。背筋はピンと伸ばして胸をはりましょう。
左右のバランス
ほとんどの人は、骨盤のゆがみによって肩の高さ、足の長さに多少の違いがあります。写真を撮る前に、肩の高さが左右均等なのかどうかよく確認してから撮影を行ってください。
証明写真を撮るとき服装について(男性編)
基本的に、履歴書に使う証明写真を撮影する際はスーツを着用しましょう。どんなスーツで、どんなネクタイを合わせるべきなのかお教えします。
黒または濃紺のスーツ
黒もしくは濃紺のスーツを着用しましょう。黒はビジネスシーンにおいても無難なカラーで当たり障りがありません。濃紺は、日本人の肌色によくなじみ、顔色を明るく見せてくれます。また、上品で洗練された雰囲気が漂い落ち着きのある印象に。
シャツは白
スーツのジャケットに合わせるシャツは、無地の白シャツがベスト。
ちなみに、襟の端を小さなボタンでとめるタイプのボタンダウンは原則NGです。カジュアルすぎて服装マナーがなっていないと思われる可能性が高く、履歴書用には不向き。
ネクタイの色は赤・青・黄
赤色は情熱があり積極的、青色は知的、清潔感、黄色は明るい、温和、落ち着きがある、というようにそれぞれ好印象を与えるカラー。
季節外れや派手な色合い、冠婚葬祭を連想させる白、黒、グレーは避けましょう。
また、どうしても柄物にこだわりたい場合は、右上から下に向かって斜めに線が入ったレジメンタルがおすすめです。
就活に適したスーツの選び方に関しては、下記の記事で詳しく紹介しています。ぜひ、合わせてチェックしてみてください。
就活のスーツって何色が一番いい?選ぶポイントと着こなしルール
証明写真を撮るときの服装(女性編)
女性の場合はどうでしょうか?
黒か濃紺のスーツ
女性の場合も男性と同様に、黒か濃紺のスーツを着て撮影を行いましょう。
上記のほか、知的、清らか、落ち着きがあるといった印象を持たれやすい、ライトグレーのスーツもおすすめです。
ブラウス、インナーは白
ブラウスやワイシャツは基本的に無地の白。もしくは、胸元が開きすぎていないシンプルなデザインのカットソーでもいいでしょう。
アパレルや外資系の採用担当者の中には、少し胸元が開いたおしゃれな着こなしを好む人もいますが、それはごく一部。当たり障りのないブラウスかワイシャツを選んでおけば、失敗はないはずです。
髪は後ろで結ぶ
髪の毛が肩につく長さの場合は、襟にかからないように後ろに流すかヘアゴムでしっかり結びましょう。髪の毛が顔にまとわりついていたり、肩にかかってもっさりしていると、不潔な印象を与えかねません。
また、これは当たり前のことですが、ネックレスやピアスなどの装飾品はNGです。社会人として恥ずかしくない装いを心がけましょう。
転職の場合の服装は?
転職も新卒と同じくスーツで、撮影するときは必ずジャケットを着用してください。先ほどもお話しましたが、ボタンダウンだけは絶対に避けましょう。
採用担当者から「服装マナーがなっていない人」と思われやすく、大事な商談が破談になる可能性が高いと言われているからです。
バイトの場合の服装は?
バイトの場合は、絶対にスーツでなければならないという決まりはありません。私服勤務がOKのバイト先であれば、シャツやカットソーなどの私服での撮影も可能。
ただし、応募先でスーツの着用を義務付けられている場合は、スーツで撮った方が安心です。
どちらのケースも、清潔感を損なわないよう落ち着いた色合いのシャツやカットソーを選ぶようにしましょう。くれぐれも、奇抜なデザインのロックTやタイダイ染めのシャツなどは着ないように注意してください。
証明写真を撮るときの髪型は?
髪型って大切です。髪の毛がボッサボサでアホ毛がひどかったり、寝癖がついてグシャグシャになっていたら、たとえどんなにその人の人間性が素晴らしくても「不衛生」「だらしがない」と思われかねないでしょう。
耳とおでこを出す
採用担当者から「あ、感じのいい子だな」と思ってもらうためにできること。それは、耳とおでこを出すことです。
耳とおでこを出すだけで表情が明るく見えて、ポジティブ、はつらつとしているなどフレッシュな印象を持ってもらえます。
耳たぶが小さい、大きい、おでこが狭い、広いなど出すことに抵抗を感じる人も多いと思いますが、それが内定への近道となるでしょう。
髪色
髪色は、清潔感があり上品な印象の黒がベスト。
就活における髪の毛の色は7レベルが理想とされていて、それ以上に明るいといわゆる茶髪にカテゴライズされ「ふざけている」「なめている」「規則を破るかもしれない」と、候補者の対象から外されてしまう場合も。
7レベル以上の明るい髪色だとダークトーンのスーツが浮いてしまう可能性があるため、自然な黒髪に仕上げてくれるヘアサロンでのカラーをおすすめします。
また、ワックスやハードスプレーで固めたツンツンヘアや、パーマでエアリー感を出した無造作ヘアもよろしくありません。
しばらくおしゃれは置いておいて、社会人として見られても恥ずかしくない身だしなみを意識しましょう!
証明写真を撮るときのメイクは?
血色がよく清潔感のあるナチュラルメイクが基本。つけまつげ、マスカラ、派手な色のアイシャドウはNGです。
写真館で撮影する場合は、スタジオの照明によって眉毛、リップ、チークが飛んでメリハリがなくなってしまう可能性があります。
顔の印象は眉毛が9割と言われているため、撮影の際はやや濃いめに仕上げるのがポイントです。社会人としての常識から外れない範囲内で、ナチュラルメイクを意識してください。
許容範囲がわからない場合、写真館にいるメイクスタッフに相談もしくはお願いしてみると、あなたがより美しく映る方法を提案してくれるはずです。
失敗しない履歴書の証明写真の貼り方
時間とお金をかけて完成した写真。失敗せずに履歴書に貼る方法を紹介します。
履歴書の写真欄の罫線よりも少し大きめに切る
冒頭でお話しましたが、履歴書用の写真のサイズは縦4cm、横3cmの縦長の長方形です。これを線に沿って切ると、貼付欄の線より小さいサイズになってしまいます。
これではあまりにも不格好でいい加減な人だと思われかねないので、実際のサイズよりも0.5〜1mm程度大きめにカットしましょう。
スティックのりで貼る
履歴書に証明写真を貼り付けるときは、スティックのりの使用が原則です。のりがはみ出さないように満遍なく塗り、ピンセットでつまんで貼り付けると枠にピタッときれいにおさまります。
両面テープや液体のりを使う人がいますが、よれたりしわになりやすく不向きです。また、これらの使用はビジネスマナーとしてふさわしくありません。
裏に名前を書いておく
きちんとおさえて貼っても、湿度の影響や衝撃によって剥がれてしまうケースが多々あります。そうなった場合、証明写真の裏に名前を書いておけば誰のものなのかがすぐに分かります
あらゆる事態を想定し、証明写真の裏に名前を書いておくのはビジネスマナーのひとつです。
履歴書の証明写真には魂を込めよう
スマホのアプリ、スピード写真など、空いた時間に誰でも気軽に証明写真を撮影できる時代。
全否定するわけではありませんが、安かろう悪かろうということわざがあるように、安ければそれなりのクオリティになってしまうものです。
多少お金と時間をかけてでも、高い品質で勝負をして内定へと駒を進めるのか。それとも、手軽さを重視してそれなりの状態で挑むのか。
どちらを選ぶのかはあなた次第ですが、どこに行っても恥ずかしくないよう、社会人として最低限のマナーである履歴書のルールはきちんと頭に入れておきましょう!