ブラック企業は面接で見極められる!?就職に失敗しない5つの方法

パソコンの前で険しい顔をする男性と女性
Pocket

ブラック企業はどうやって見分ければいいの?

デスクで両肘をついて頭を抱える男性

規定時間を超えた過酷な労働、残業代の未払い、劣悪な職場環境など、ブラックと呼ばれる企業は今もなお多く存在しています。

こうしたブラック企業の対応に不信感を募らせた従業員の内部告発によって、悲惨なその実態が徐々に明るみに出るようになりました。

せっかく頑張って面接を通過して入ったのに、毎日夜遅くまで働かされて休みがない、なんてことになったら身も心もボロボロになってしまうかもしれません。

人生を狂わせてしまうかもしれないブラック企業にありがちな特徴、面接や求人の時点で見分ける方法についてお話しましょう。

ブラック企業とは?

キーボードを打つ女性

残業代の支払いがない、月の残業時間が○時間以上、休日出勤が多いなど、人によってブラック企業の定義はさまざまだと思います。そもそも、ブラック企業とはどういった企業のことをそう呼ぶのでしょうか。

ブラック企業とは・・・

「若者を大量に採用し、過重労働・違法労働によって使いつぶし、次々と離職に追い込む成長大企業を指す。将来設計が立たない賃金(貧困、ワーキングプア)で私生活が崩壊するような長時間労働を強い、なおかつ若者を「使い捨てる」ところに「ブラック」といわれるゆえんがある」

「近年では労働基準法や関連法令を無視し、あるいは法の網や不備を悪用して従業員に長時間労働やサービス残業などを強制する企業を主に指す」

Wikipediaではこう記されています。
つまり、大企業・中小・ベンチャーに関わらず、労働基準法の取り決めを無視して若者たちに過度の長時間労働を強要する。
また、労働環境の不満を口にした従業員に対するパワーハラスメントなど、肉体的・精神的に追い詰める企業のことを“ブラック企業”と呼ぶのだと考えられます。

実は、厚生労働省から何か特別な通達があるとか、ブラック企業についての明確な定義があるわけではないんです。

信じられない!ブラック企業の実例

通勤中のサラリーマンたち

体調不良で有給なんて言語道断!

「私が以前勤めていた広告会社での話です。連日の深夜残業で睡眠時間1時間が続いていたある日、ハードワークが祟って風邪をこじらせてしまったんです。
高熱が続いて歩くのもやっとの状態だったので、上司にその旨を報告して有給を申請したら“体調不良ごときで有給なんて言語道断だ”と罵倒され、給料を減額されてしまいました。

毎日毎日過酷なサービス残業でこっちは身も心もボロボロになるまで働かされて、挙句の果てに減給ってありえませんよ。
しかも会社用の携帯を持たされて四六時中GPSで監視されているんですよ。どこに居ても気が休まらないし、体調を崩しても休めないし、這いつくばって残業に耐えて、、、。このままでは精神が崩壊してしまうと危機を感じ、転職しました」

ベテランがいない

「私が以前勤めたいた会社の従業員の8割が、大学を卒業したばかりの勤続年数1年未満の社員でした。
普通どこの企業も6ヵ月間の研修や試用期間を設けているはずなのに、そこはたったの4日間で、私の教育担当のチームリーダーに至っては入社してたった半年、、、。夕方17時になると全員タイムカードを打刻して、またデスクに戻ってそこから夜の22時までみんな当然のように残業させ、給与明細には残業手当も深夜手当もついていませんでした。

これは明らかなブラック企業だと思い、給与明細とタイムカードのコピー、通勤定期の履歴を持って労働基準監督署に相談に行き、事情を説明しましたがうまく取り合ってもらえず転職しました。労働者が弱い立場になるなんて、許せません」

 

就職先のブラック企業で、長時間の労働を強いられて身を粉にして働かされる毎日、、、。残業代や深夜手当の支給が一切ないサービス残業、減給などひどい扱いを受けている人たちはたくさんいます。
そのまま働き続けていたら、心も体もボロボロになってしまうかもしれません。

こんな特徴があったらブラック企業かも

オフィスビル群

ブラック企業にありがちなパターンをいくつかご紹介します。

残業が多い&残業代が出ない

ブラック企業最大の特徴は、やはり残業が多くて残業代が支払われないこと。深夜や早朝に及ぶ長時間の残業、定時になったら一度タイムカードを打刻させるサービス残業、その上残業代を支払わないというボロ雑巾のような扱いを受けます。

休みが取れない

体調不良、冠婚葬祭、急な予定などで有給を申請しようとしても、なかなか休みを取らせてくれません。申請しても許可が降りず、減給されてしまうケースもあるほどです。ボロボロになるまで働かせ、使えなくなったら平気な顔でポイッと使い捨てる残酷なケースはたくさんあります。

離職率が高い

ブラック企業の大きな特徴のひとつに、人の入れ替わりが激しいという点が挙げられます。会社の過酷な労働条件に耐えられず、辞める人があとを絶たないからです。一番近しい社員の勤続年数が1年に満たなかったり、同時期に入社した従業員が異様に多い場合は要注意。

正社員の比率が少ない

全従業員の人数に対して、正社員の数が極端に少なくアルバイトやパート、派遣従業員中心で回している企業も多くあります。こうした場合、安い賃金で責任ある仕事を多く押し付けている可能性が考えられます。つまり、使い捨てですよね。正社員が少ない職場が全てそうだというわけではありませんが、そうしたケースもあるのだと心に留めておきましょう。

常に求人募集している

常に求人広告に掲載されている企業は、人手不足が考えられます。人手不足ということは。それだけ離職率が高いということです。年がら年中している企業があったら、そこは限りなく黒でしょう。

採用プロセスが短い

多くの企業が書類選考→1次選考→2次選考→3次選考or最終選考と採用プロセスに時間をかけるのに対し、ブラック企業の場合は書類と1次選考のみで採用が決まる場合が多々あります。一刻も早く人手を補いたい、採用コストをかけたくないと理由から、採用のハードルを低く設定しているのです。

給与が相場より高い

どう考えても新卒の手取りに見合わない、相場よりも高いお給料を掲載して募集をかけておびき寄せるのです。しかしいざ契約に進むと、月給与は高いけどボーナスの支給がない、残業代込み、退職金の制度がないというケースが多くあります。見かけの給与がやたら高い場合は、一度疑ってみてもいいかもしれません。

精神論を強調する

「気合いがあれば乗り越えられる!」「みんなでやれば、必ずできる」「願いは叶う」などと、何の裏付けもない精神論をスローガンに掲げる企業は注意した方がいいかもしれません。上層部から課せられた無茶なノルマを達成するための精神論がまかり通る企業は、黒い可能性が高いです。

求人・面接で見抜く方法はあるの?

面接官と面接中の女性

上で紹介したような特徴があるブラック企業に引っかからないために、求人や面接で見極める5つの方法をお教えします。

面接時間が数分

採用プロセスが短いという話で触れていますが、面接の時間がほんの数分もしくは10分程度で終わってしまう場合は、ブラック企業の疑いがあります。その人となりを理解し、企業が求める人材かどうかを判断するのに、たった数分ではあまりにも時間が短すぎると思いませんか?

自己紹介がない

「自己紹介しない人なんている?」と思うと思いますが、自己紹介や挨拶がない企業は疑ってかかった方がいいでしょう。離職率が高いと、それだけ面接を“こなす”回数が多くなりますよね。つまり、自己紹介がないということは面接の重要度が低くいい加減に捉えている可能性があるんです。

目が充血しているか

面接官たちの目をよく確認しておきましょう。アレルギー性の結膜炎、鼻炎、花粉症などの症状は別ですが、面接官たちが複数いて彼ら全員の目が充血している、目の下のクマがひどい場合は危険です。それだけ毎日過酷な労働、残業を強制されているという意味になります。目の充血やクマは、体の悲鳴を表すサインです。

口コミが悪口で荒れている

これは一番わかりやすい方法です。就職を考えている企業、応募した企業名で検索をかけて口コミを確認しておきましょう。面接に行く前に事前にインターネットで情報を収集しておくだけでも、自己防衛に繋がります。

常に会社の電気がついている

残業代が多い、深夜残業が当たり前化しているブラック企業は、夜中であろうと会社の明かりがついています。従業員たちは疲れきった体を酷使して、苦痛を強いられているのです。一度企業の明かりがきちんと消灯されているのかどうか、確認しに行くのもアリでしょう。

もし就職した企業がブラック企業だったら、、、川辺で頭を抱えているスーツ姿の女性

もしブラック企業に就職してしまった場合、どう対処したら良いのでしょうか。

・潔く辞める

・我慢して頑張る

・法的措置をとる

これら3つのうちのどれを選択するかによって、今後の人生が変わると言っても過言ではありません。そのくらい、ブラック企業が与える心と体へのダメージは、計り知れないほど大きいのです。

ブラック企業に巻き込まれて過酷な労働を強いられてしまったら、労働基準監督署に相談に行きましょう。労働基準監督署とは、最低労働基準の遵守について事業者等を監督することを主たる業務とする機関です。

残業代の未払いを証明できるタイムカードのコピー、給与明細、深夜残業を証明できる会社用の定期の履歴、もし可能であればやりとりを録音した音声など。相談員に提出すれば、これらが会社がブラックだと証明できる動かぬ証拠になるのです。相談員を通して未払い分の残業代を支払ってもらえるかどうか、一度相談に行ってみましょう。

ただ労働基準監督署に法的な強制力はなく、指導という立場でしか介入できないため、企業と折り合いがつかなかった場合、調停や裁判と長引くケースがあるということも頭に入れておいてください。

そして、もっとも大切なのは「最低でも3年は続けないといけない」という妙な決めつけに縛られないで欲しい、ということです。一体いつから、こうした凝り固まった意識が世の中に定着したのかはわかりませんが、3年って意外と長いもの。

精神的・肉体的苦痛に耐えながら価値ある3年を消費してしまうのは、あまりにもったいないです。

入社して間もないのであれば尚更です。ブラック企業にボロボロにされないうちに、思い切って転職した方がいいことだってあるかもしれません。心と体を壊して社会復帰できなくなってしまった、、、という人は案外多いんです。

そうならないよう、こちらからスパッと切り捨てて、次のステップに進むのもアリなのではないでしょうか。

ブラック企業の餌食にならない!

両手を広げてジャンプするスーツ姿の男性

従業員に対して、休日出勤の強制、休みを取らせない、残業代未払い、長時間労働といった過酷な労働条件を課して、フィジカルとメンタルの両方を追い込むブラック企業は数多く存在します。

とは言っても、実際に入ってからじゃないと内部事情がわからないというケースがほとんどです。

ブラック企業に引き込まれないよう、面接での面接官たちの様子や対応、求人募集の時期や頻度、給与の相場などをくまなくチェックして自己防衛力を身につけていきましょう。

もし、就職した先で「あれ?」と不審に思う点が多く見つかった場合は、“3年”という数字に縛られず思い切って転職し、また新たなスタートを切ればいいんです。