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どうしても緊張してしまうグループ面接
1次面接をおこなう多くの企業で実施されるのがグループ面接。ライバルたちがたくさんいるなか、「あの人よりもいいことを言わなくちゃ」「自分の良さを売り込まないと」と焦ってしまう人が多いのではないでしょうか?
複数の応募者が集まって同時におこなわれるグループ面接では、振る舞いや言葉づかいなど一挙一動が命取りになることも。面接官たちは何をチェックしているのかを把握できていれば、十分に対策できるはずです。そこで今回は、グループ面接でよく聞かれる質問や上手に答える方法をご紹介します。
グループ面接ってどんな面接なの?
すでにグループ面接を経験している人もいれば、これからの人もいるでしょう。対策方法についてお話を進める前に、グループ面接とは一体どんな面接なのかをおさらいします。
そもそもグループ面接とは、その名の通り複数の応募者たちが同時に受ける面接のこと。第1次面接で実施されることが多く、4〜6人前後の人数でおこなわれます。
応募者全員し対し、面接官から同じ質問が投げかけられることがほとんどです。主な内容としては、「学生時代にもっとも力を注いだこと」「自分の強み」について、応募者は順番に答えていくスタイルです。
グループ面接の目的とは?
複数名でおこなわれるこのグループ面接では、基本的な社会人マナーができているのかどうかを判断しています。企業を志望した動機や学生時代に打ち込んだことなど人それぞれで、当然考え方も違いますよね。ほかの人の話を聞いて内容を理解する「コミュニケーション能力」があるかどかをチェックしているのです。
さらに、人の話を素直に聞けるかどうか、受け入れられるかどうかもポイントとなります。自分の順番がくるまでの聞く姿勢も面接官たちは見逃しません。ぼーっと天井を見たり、手元を見たりせずにほかの応募者の話には耳を傾けましょう!
グループ面接と個別面接の違いとは?
グループ面接と個別面接の違いは、大きくわけて2つ。まず1つ目は、質問の数です。個別面接では、「まわりの人からどんな人だと思われていますか?」「長所と短所を教えてください」「尊敬する人は誰ですか?」などさまざまな角度から質問をされるでしょう。
しかし、集団面接では聞かれてもせいぜい2〜3個。「志望動機を教えてください」「他社の選考状況にはどうですか?」など。面接官は、あなたがどんな価値観を持っているのか、そしてそれが社風にフィットするかどうかを確認したいのです。
続いて2つ目は、時間です。グループ面接では、応募者ひとりに与えられる時間がより短くなります。したがって、応募者たちは限られた時間を最大限につかい、自分をアピールしなければなりません。
自分だけのオリジナルストーリーをいかに魅力的に話し、面接官に興味を持ってもらえるかがとても大切です。まわりの人よりも良いことを言おうとする必要はありませんよ。自分の芯を貫き通し、中身のあるエピソードを話しましょう。
グループ面接のときに気をつけたいマナー
グループ面接をおこなう企業では、より優秀で企業にマッチした人材を見つけることと、コミュニケーション能力があるかどうかを厳しくチェックしています。入退室や面接の最中など、下記のマナーをより強く意識しましょう。
身なり
なんと言っても一番は、服装ですね。人の第一印象は見た目による影響が9割だと言われています。ネクタイがゆるゆる、シャツやブラウスがヨレヨレ、髪の毛がボサボサ、爪や指先がボロボロだった場合、面接官たちはどう思うでしょうか?
「清潔感がない」「だらしがない」と、マイナスな印象を植え付けてしまうかもしれません。グループ面接では複数名の応募者がズラリと並ぶため、だらしのない服装は目立ってしまいます。面接の前に、会場の近くで身なりをきちんと整えてから会場に入りましょう。
入室するとき
これは、グループ面接に限ったことではありませんが、入室するときも神経を研ぎ澄ませてください。ノックをするときのテンポ、ドアの開け方、お辞儀など、時間で見るとわずか数秒。だからこそ、自分がどう見られているのかをきちんと意識しましょう。ちなみに、入退室の際の基本的なマナーについて、下記で詳しく紹介しています。面接前は、ぜひ参考にしてみてください!
姿勢
意外と気を緩めてしまうのが姿勢です。先ほどもお伝えしましたが、第一印象を決める見た目に姿勢の良し悪しも含まれています。肩が内側に入って猫背になったり、左右の肩の高さがズレていたり、胸を張りすぎていたり。どれもあまり良い印象を与えないでしょう。ということで、下記のポイントを意識してみてください。
・椅子の背もたれにはもたれかからない
・椅子の3分の2くらいの位置(背もたれと体の間に拳ひとつ分ほどの隙間が理想)で浅く座る
・男性なら拳を作って両膝の上、女性は左手を上にして両膝の中央に添える
・足は垂直に下ろす(足を前に伸ばさない)
・男性は自分の肩幅に足を開く。女性は両膝をつけてそろえる
グループ面接を内定につなげるポイント
第2次、3次、最終面接につなげて内定に近づくためには、ほかの応募者の話を聞いているときの態度、話し方などがポイントとなります。それでは早速詳しく見ていきましょう。
ほかの応募者の意見を聞く
ほかの応募者が話しているときは、軽くうなずいたり、話している人の方に軽く体を向けたりして、話をきちんと聞きましょう。「ほかの応募者よりもいいことを言おう」「自分はそんな風には思わない」など、ほかの人を蹴落とそうと思う気持ちは表情にも現れてしまいます。無意識のうちに眉間にしわが寄っていたり、口元がへの字なっていたりして、決していい印象は持たれないでしょう。
緊張のあまり余裕がなくなって、いっぱいいっぱいになってしまう気持ちはとてもよくわかります。ですが、「協調性」「素直さ」「誠実性」をチェックしているグループ面接では、ほかの応募者の話を聞こうとする姿勢がとても大切なんですよ。
簡潔に話す
冒頭でもお話をしましたが、グループ面接では応募者ひとりひとりに与えられた時間は限られています。ただダラダラ話していたら、次の面接を控えている応募者にも迷惑がかかってしまいますよね。
目標は90秒以内で、「結論」「理由」「結論」の順番で簡潔に話しましょう。しかし、これはその場ですぐにできるものではないので、タイマーで時間を計ってトレーニングをしておくことをオススメします。
自分の意見に自信を持とう
ほかの応募者たちが自分よりもすぐれていたり、話す内容に面接官が深くうなずいていたりすると、「どうせ自分なんて」とか「あの人と話の内容が同じだ……」と焦ってしまうもの。ですが、まわりの人の話に流される必要はありません。
まわりがどう思うかよりも、あなたがどう思うかということの方が大切なのではないでしょうか?どんぐりの背比べ状態のグループ面接では、グループ内でいかに抜きん出るかよりも、自分の魅力を伝えて興味を持ってもらうことが内定への近道ですよ。
グループ面接でよく聞かれる質問
上での少し触れていますが、グループ面接でよく聞かれる質問についていくつかご紹介します。これを見ておけば、どんな受け答えをすれば好印象なのかが見えてくるはずです。
自己紹介
グループ面接がはじまると、「それでは自己紹介をお願いします」と言われるはずです。ここで与えられる時間は1〜1分30秒程度。下記の内容を盛り込みながら、ハキハキと元気に簡潔に話しましょう。
・名前、大学名、学部・専攻学科(大学で主に力を入れて取り組んだ分野についてなど)
・自分で感じている性格や長所について
・自分の強みを今後の業務にどういかしていきたいか
・「本日はよろしくお願いします!」のあいさつも忘れずに
例文
○○大学○○学部の、○○と申します。 大学では、○○の文学史を主に学んでおりました。 学外では、ベンチャー企業でマーケティング部に所属し、長期間のインターンに取り組んでいました。
達成するのが難しい目標を工夫と努力で達成し、社内でMVPをとることができました。インターンを通して、最後まで諦めないことの大切さと、人の意見を素直に聞く大切さを学びました。 本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
学生時代に頑張ったこと
この質問は、グループ面接だけではなく個別面接でも100%聞かれます。この話をすることで、あなたがこれまで歩んできた人生、経験、価値観などを垣間見ることができるのです。面接官たちは、このエピドーソドから企業のカルチャーにフィットするのか、業務に対する熱意があるのか、といったことを判断しています。
この質問に対して一番ベストな答え方は、「打ち込んだ内容」「理由」「具体的な取り組み」「結果」「何を学んだか」を盛り込むことです。取り組んだことを話すだけではなんの意味もないでしょう。得た知見を今後にどういかしていきたいのか、業務と紐づけて話すと説得力が増しますよ。
ほかにどんな会社を受けていますか?
意外と聞かれるのが「ほかにどんな会社を受けていますか?」「他社の選考状況を教えてください」というもの。突然の質問に戸惑ってしまう人が多いのではないでしょうか?
面接官たちは、応募者の企業選びの軸を知りたいと考えています。突然聞かれても大丈夫なよう、一貫した企業の軸をあらかじめ用意しておきましょう。また、どの会社が何次選考まで進んでいるのかをきちんと把握しておくことも忘れずに!
グループ面接の経験者に聞いた!内定を勝ち取るコツとは?
それでは、ここからはグループ面接の経験者Aさんにお話を伺っていきます。グループ面接を受けるうえで大切なこととは一体何なのでしょうか。尚、4月に入社したばかりということで、顔出しをしないことを条件に取材をしました。

ライターの渡辺です。よろしくお願いします。それでは、早速お話を伺っていきます。Aさんが受けたグループ面接はどんな様子でしたか?

私が受けたグループ面接は、私以外に4人いました。みんなエリート大学出身者だったので、いいことを言わないとってすごく焦りを感じていたことを覚えています。

面接ではどんなことを聞かれましたか?

自己紹介のあと、志望動機や「ご自身を家電に例えると何だと思いますか?」「○○さんの意見に対してどう思いますか?」とか。他の応募者の話を聞いての感想を求められることがありましたね。

そうなんですね。うまく答えるコツってありますか?

そうですね。もし自分も同じ考えだったら同調しつつ、自分が思うほかの意見をプラスすること。もし違う意見がある場合は、相手の意見を肯定してから自分の考えを述べるようにしていました。

集団面接では、協調性やコミュニケーション能力なども見られているということでしょうか?

そうだと思います。やっぱり、人の意見にきちんと耳を傾けたり、他の応募者の話を聞くときの態度が大切だと思いますよ。

集団面接は通過しましたか?

はい、なんとか通過しました。集団面接は、一次面接のときにおこなわれて、そのまま最終まで進んで内定が決まりました。その会社で、今年の4月から働いています。

他の応募者と比べてしまう就活生が多くいます。集団面接で好印象を残すためのコツを教えてください。

他の人の意見を聞くことだと思います。人より良いことを言おうとする必要って全然なくて、話の内容が被っても良いと思うんです。ちゃんと自分の考えに自信を持っていれば、面接官はきちんと見てくれていますよ。

ありがとうございます!
他人と比べず自信を持って面接に挑もう
複数の応募者と同時におこなわれるグループ面接では、ほかの人の話を聞く姿勢や表情、協調性、コミュニケーション能力があるかどうかを厳しくチェックされています。ほかの人よりも良いことを言おうとしたり蹴落としたりせず、自分の考えに自信を持って精一杯アピールしましょう!